第3の理由は、学校教育によって植えつけられた「問題を解いた瞬間が一番カッコいい」という誤った美意識があるからです。
日本の学校では、提示された問題に対し、それを素早く解ける生徒が評価されます。しかし実社会では、この前段にある「問いを立てること」から、後段にある「解いた答えを実行する」ところまでが求められます。
美しい戦略も「実行」できなければ意味がない
しかしすでに答えが出ている状況で、その後のフェーズにまで真剣に向き合うことこそカッコいいと、そう感じられるように我々は教育されていません。
むしろ、答えが出たあとに、泥臭く本質的ではない社内調整を頑張るなんて、考えるのが苦手な人がやる仕事だろう、とゆがんだ美意識を持つ人すらいます。本当におかしな価値観だと私は思います。
マーケティングという仕事でも、「社内調整」が第一想起されることは稀でしょう。特に若い人からすれば、マーケティングという言葉からSTP(Segmentation・Targeting・Positioning)や4P(Product・Price・Place・Promotion)など各種フレームワークを駆使して戦略を立案するようなイメージを持つのではないでしょうか?
「社内調整がやりたくてマーケティング職に就きました」なんて志望動機は、あまり聞いたことがありません。
しかしその実務を紐解いていけば、戦略を立てている時間なんて本当にわずかで、大半の時間は関連部門との社内調整に費やしています。どれだけ美しい戦略を描いたとしても、それを実行しなければ何の意味もありません。
水面下で、日夜、社内調整に奔走している人が、マーケティングという仕事を支えているのは疑いようのない事実なのです。



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