しかし、様々な根拠を示したとしても、泥臭い「社内調整」はまったくなくなる気配がありません。
私の発信する情報に限らず、世の中には「正解」とされる情報があふれています。検索エンジンや生成AIに、マーケティング手法の「正解」を問えば、それらしい答えが無料でいくらでも返ってきます。実際にそれらの「正解」を実践すれば、それなりの成果が得られるはずです。
しかし、多くの企業はこの「正解」を知ってから、それらを実践するまでに果てしない「社内調整」を要します。
「正解」があるのに、なぜ「社内調整」が必要なのか?
なぜ「正解」があふれているのに、「社内調整」に苦労するのでしょうか? 正しいとわかっていることがあるのに、なぜ素早く実践できないのでしょうか? 私はデジタルマーケティングの専門家ですので、この領域を例に原因を3つに整理してみました。
第1に、他部門への社内調整が必要なケースです。他部門はミッションやKPIが異なるため、「正解」を共有することに苦労します。デジタルマーケティングに携わる担当者なら必ずやったほうが良いと思えることでも、他部門からすれば自分たちが面倒な仕事を押しつけられることにほかなりません。
どんな人でも、たいした説明もなく余計な仕事が増えたら嫌でしょう。必ず「抵抗」が生じます。
例えば、BtoBなど営業が契約を決めるビジネスにおいて、マーケティング部門は、営業部門の商談で何が起きたかを把握するために、記録をデータ化させようと躍起になります。
しかし営業担当からすれば、手元の手帳やエクセルで自分の顧客を管理できているのに、なぜわざわざ面倒なシステムにログインして、データ化を手伝わなければならないのかと、嫌な顔をするでしょう。
デジタルマーケティング施策の多くは、複数部門にまたがって業務フローの変更を要求します。マーケティング部門以外にも、開発、生産、営業、販促、宣伝、広報、情シスなど幅広い部門間での社内調整が生じます。それぞれの部門には、それぞれの「正義」と「正解」があるため、調整が一筋縄にはいかないのです。


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