さらにクリップ部では、サラサクリップのバインダークリップをオマージュした。芯が収納されているときにはクリップが浮き、ノートやポケットなどに挟める仕様とし、ペンをひねって芯を出すと当時にクリップが沈むような設計となっている。
もちろん「書き味」にも技術が詰まっている。実はボールペンは書き始めよりも、ある程度使い込んだ後の方が書きやすさが高まる。一方でHAMONでは独自の「エイジングチップ」と呼ばれる部品を開発し、使い始めから滑らかに書けるようにしているという。
当初の価格は「約10万円」だった
ここまでさまざまな工夫を紹介したが、特にコストをかけているのが商品名にもなっている外装の「波紋模様」だ。
削り出しは、少しズレたり削りすぎたりしただけで、重心や書き味に影響を与えてしまう。専用の機械を使って1時間ほどかけて繊細に切削し、1日に作れる数は最大でも20本ほど。商品原価の3分の1がこの模様にかけられているというから驚きだ。
さらに組み立てには、わずか3人しかいないという「マイスター」が手作業で携わる。10年以上、商品の製造に携わってきた人の中から選抜し、トレーニングを積んだ文字通りの精鋭たちだ。
こうした“必殺技”を詰め込んだ結果、原価を積み上げると価格が10万円ほどになってしまう可能性があったという。
「社内では『それでも良いのでは』という声もありました。ただ、いくら最高級品といっても、高級ボールペンの相場はだいたい2万~3万円ほどです。そこから乖離しすぎるとなかなか受け入れてもらうのは難しいだろうという判断で、社外秘の工夫を重ね、現在の価格まで圧縮しました」


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