それ以降、梅津さんはリハビリを重ねながら心と体の回復に励む。
「“一人でトイレに行く”とか“外へ散歩に行く”とか、生活の中で小さな目標を一つずつ立てていくようにしたんです。それをクリアすると、夫や家族、病院の皆さんが私以上に喜んでくれて。自分が頑張ることで、周りの人が笑顔になってくれる。その経験を積むことで、“生きたい”という前向きな気持ちが少しずつ大きくなっていきました」
リハビリを続けた結果、数年後には病院に外出届を出し、大好きなアーティストのライブに行けるほどにまで回復。
「ライブのために外出届を出した患者は私が初めてだったようですが(笑)。日常の楽しみだけでなく、大切な家族や友人が私を励まし続けてくれたことも、本当に大きな励みになりました。特に夫には何度もネガティブな思いをぶつけてしまったけれど、それでもひたむきに私を支えてくれて。彼のおかげで、入院中も笑顔が増えました」
最終的に梅津さんは気管切開を閉じる手術を終え、一つひとつ退院に必要な条件をクリアしながら、ついに退院の日を迎える。28歳で意識を失ってから、既に6年もの歳月が流れていた。
医師が回答!ただの疲れと“病気のサイン”を見分ける方法は?
「ただの疲れ」と「病気のサイン」を見分け方について、総合診療医の舛森 悠先生に伺いました。
舛森医師:「ただの疲れ」と「病気のサイン」を見分けるのは、実は医師でも簡単ではありません。それでも受診の目安になるのは、以下の3つです。
梅津さんの場合、強い倦怠感に加えて手のこわばり、脱毛、口内炎、顔の赤みが重なっていました。夏バテや一時的な疲労で、これだけの症状が同時に、しかも数週間以上続くことはまずありません。
特に若い女性で、日光に当たると悪化する皮疹や、朝方の手のこわばりが続く場合は、膠原病の可能性を考えます。まずは内科やかかりつけ医を受診し、「いつから」「どんな症状が」「同時に何が起きているか」を伝えてください。血液検査で手がかりが得られることも多く、必要に応じて専門の科へつないでもらえます。


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