調査は2022年度から24年度までの3年間かけて行われている。その結果、「メタ認知が高いほど学力は高まる」という結果を得ている。
社会情動的コンピテンシーの1つであるメタ認知を、横浜市では前述のように目標に向かうための力と説明しているが、一般的には「自分を客観視する力」と解釈されているようだ。自分の思考や行動を客観的にとらえて理解するということで、例えば「自分は漢字を覚えるには何回も書いたほうがいい」など自分の力を客観的にとらえて実行できる力を示している。
メタ認知と学力の間に関係性
横浜市では毎年、独自の「横浜市学力・学習状況調査」を行っている。国が行っている「全国学力・学習状況調査」は小学6年生と中学3年生だけが対象だが、こちらでは全学年の全生徒が対象となる。つまり9年間の推移がわかるし、22年度からはCBT(端末使用)になったため、子どもたち一人ひとりの細かいデータ比較もしやすくなっている。
調査研究で、社会情動的コンピテンシーの1つであるメタ認知と学力の間に関係があることがわかった。
22年度にメタ認知の測定を行った結果で低い・中程度・高いの3グループに分ける。そのグループが2年後の24年度5月中旬に行われた横浜市学力・学習状況調査で、どのような成績だったのかを調べたのだ。その結果が、下の図である。
例えば、表で「中3」と記された3グループは、中学1年生のときのメタ認知測定で分けられたグループだ。これを見ると、中学1年生のときにメタ認知が高かったグループのほうが、中学3年生になったときに学力が高くなっていることがわかる。
同じことは、ほかの学年でもいえる。表で「小6」と記されている3グループは、2年前の小学校4年生のときに受けたメタ認知測定の結果でわけられたものである。やはり小学4年生のメタ認知測定で「高群」だったグループのほうが、小学6年生のときの横浜市学力・学習状況調査での点数が高くなっている。
この調査結果から、メタ認知の数値の高かった生徒ほど、2年後の点数の学力も高くなる傾向にあることがわかる。つまり、メタ認知をはじめとする社会情動的コンピテンシーが高ければ将来的な学力が高くなる、と言えるのだ。
◎メタ認知得点と横浜市学力・学習状況調査の結果との比較
(画像:横浜市教育委員会提供)
社会情動的コンピテンシーと学力のどちらを重視するかではなく、両者は相互関係にあるのだから、両方を重視しなければならないということだ。


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