「私は安定収入があるサラリーマンと付き合うのは初めてです。今まではお金は自分が一生懸命に働いて生み出すものだと思っていたけれど、正直言ってビジネスはもうウンザリ。これからは養ってもらう人生がいいし、それに値する私になれたと思っていました。そんなときに彼からプロポーズされたので、断る理由がありません」
前向きな理由ももちろんある。香織さんは「育ちが複雑でちょっとひねくれている人」に興味と魅力を覚える傾向があった。しかし、愛の修羅場のような経験も重ねて、「男性は育ちが良くて素直な人が一番いい」と思うようになったという。
「私は仕事柄もあって、人の体を触ればその性格が大体わかります。ダニエルの体はフニャフニャ(笑)。実際、私のいいところも悪いところもすべて受け止めてくれるんです。私は行動力も影響力もあると思うけれど、時間を決めて動いたり、整理整頓をしたりするのが苦手。一緒に出かけるとき、彼は30分前にはスタンバイしているけれど、私を待つ時間もイライラしたりはしません」
「育ちがいい」の本当の意味
香織さんの言う「育ちがいい」とは、いわゆる名家出身という意味ではない。実親もしくは親代わりの人たちに、ちゃんと愛されて育ったことを指している。ダニエルさんの両親は今でも仲が良く、仕事を引退した今では、キャンピングカーで各地を2人で回りながら暮らしているような日々だという。自由で愛情深い人たちで、息子より15歳も年上の外国人である香織さんを温かく迎えてくれている。
香織さん自身の両親は、円満とは言いがたい関係性だった。だから、香織さんも結婚には懐疑的だったが、ダニエルさんとその家族のあり方で価値観が少し変わった。いや、変わったというよりも、ずっと探し求めていた何かを得たのだろう。相手の中に本当の自分を見つけることが、結婚の本質なのかもしれない。


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