さらに有料配信ドラマはビジネスモデル的に時間と予算が確保しやすく、ダークなシーンも描けるなど表現の幅が広いことも含め、地上波のドラマではなく映画や舞台と比べるほうが自然でしょう。
誤解のないように書いておくと、筆者は特に『VIVANT』を支持しているわけでも、擁護したいわけでもありません。もちろん数字狙いや個人的に好きなどの理由もありません。ネットメディアによるアンフェアな記事が増え、それに乗るようなSNSのコメントが目立ちはじめたことで、『VIVANT』をフォローせざるをえない状況になっているだけなのです。
挑戦を続ける『VIVANT』の存在は貴重
筆者自身、夏ドラマがテーマの出演番組や連載コラムで『VIVANT』をおすすめ作品に挙げていましたが、その理由は、見たことのないドラマに挑む制作姿勢。
複数の主演級俳優を含む国内外の大量キャスト、約2カ月にわたる海外ロケ、放送期間を2クールに倍増、多彩なグッズ展開と企業コラボ、リアルなファンイベントの複数開催など、これほどの力の入ったドラマプロデュースは見たことがないからです。
脚本・演出などにツッコミどころや賛否のポイントがあったとしても、あるいは今後、視聴率や配信再生数が下がったとしても、その果敢な制作姿勢は称えられるべきでしょう。そうでなければ地上波のドラマはリスクを恐れて挑戦をやめ、刑事・医療・法律の定番3ジャンルばかりになりかねません。
複数の他局テレビマンから「地上波ドラマの代表として『VIVANT』を応援している」という声を聞きました。地上波ドラマ全体のことを考えると、テレビ業界を取り巻く状況が厳しい中、挑戦を続ける『VIVANT』の存在は貴重なのでしょう。
前述したように、数字狙いの下げ記事や個人の持論をアップするような記事が飛び交う中、私たちに求められているのは、それを見極める目を持つこと。ネガティブなフレーズの見出しに踊らされ、批判的なコメントを書き込む人が増えるほど、日本のエンタメ作品は歪められ、質は下がっていきます。
見る側と報じる側の姿勢もエンタメの行方を左右する大切な要素なのです。筆者自身もここで挙げたことを肝に銘じつつ、エンタメ作品と向き合っていきたいと思っています。


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