爽太は子どもの頃、麻里子の近所に住んでいた。あるきっかけから麻里子を目で追うようになり、同じ高校、大学に入り、さらに同じ会社へ就職した。そして社内で密かに彼女を見つめ続ける。
SNS時代、麻里子の情報を得るのは比較的容易だ。彼女のSNSをチェックし、行動を把握する。そこで知り得たお気に入りの配信ドラマや好きなカフェのことを、日常会話の中でさりげなく盛り込むことで麻里子に趣味が合うと思わせることに成功する。
彼の部屋には何十冊にも及ぶ麻里子の25年分の観察記録がしまってある。そんな爽太の重さを知らない麻里子は、彼に「あさってくらいまで先まわりしている気遣い、こわいから」とツッコミつつも、絶大な信頼を寄せる。
ルッキズムにはなるが、しゅっとして、清潔感があり、やさしげで、ウィスパーボイスで、自分と趣味が合い、気が利いて、なにかと助けてくれる。こんなにいい人はいない。すべてを知っている視聴者から見たらやばいとしか思えないが、麻里子にとってはいまのところメリットしかない。
単なる考察系・ネタものドラマではなく、「崇高なドラマ」になる可能性
折り返し地点ともいえそうな第5話では、爽太は、麻里子がお見合いした刑事・佐倉泰輔(玉山鉄二)とのデートを尾行していて、それもかなりやばかった。
麻里子の継母・野瀬サユリ(水野美紀)は爽太のことをはっきり「気持ち悪い」と言いきり(2回も)、「ストーカー」とも言っていた。正しい。第1話から見ていた視聴者たちが感じていたことをはっきり言葉にしてくれた水野のリアクション演技が見事で、視聴者としてもそう言いきって間違いないのだと肩の荷が下りたものだ。
爽太が、単に人のいい、極度の「麻里子推し」であれば微笑ましいのかもしれない。だがそうではない。


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