実際、韓国ではブルダック炒め麺とチャパゲティ(韓国風の汁なしジャージャー麺)を混ぜたり、ノグリ(ロングセラー・インスタント麺)と合わせたりするなど、メーカーの垣根を越えて自由に楽しむ食べ方も一般的だ。後者は、韓国ボーイズグループBTSのJung Kook(ジョングク)がアレンジしたことでも注目された。
企業としては、他社の商品と組み合わせて食べられることに抵抗はないのだろうか。洪社長は笑いながらこう答えた。
「それをコントロールすることはできません。有名人が他社商品と組み合わせて食べる動画などもありますが、『そうしないでください』とお願いすることはできません。それよりも、皆さんが自由に楽しんでくださること自体が、韓国ラーメンが受け入れられている証拠だと思っています」
SNS発信を促す、ブルダックの”好奇心を引き出す力”
ブルダックの躍進もその後の商品開発においても、SNSの力が後押しとなった。そもそも、なぜブルダックは、これほど多くのネットユーザーが自発的に発信したくなるブランドになったのか。洪社長は、その理由について次のように語る。
「商品に好奇心を引き出す力があるのだと思います。『怖いけれど、一度食べてみたい』、そんな気持ちになるんですよね。辛くて苦戦する様子も、見ている人にとっては面白いコンテンツになりますし、それがまた次の投稿につながっていきます。
近年は、辛いものを食べること自体に意味を見いだす人も増えています。ストレス発散や気分転換など、ライフスタイルの一部として楽しんでいただけるブランドを目指しています」
日本では、カルボよりもさらに辛さを抑えたクリームカルボが好評で、8月18日には、キャラメルの甘さを重ねた「スワイシー(「スイート」と「スパイシー」の融合)ブルダック炒め麺」がファミリーマートで先行発売されたばかり。今年に入り、コンビニでの販売など販路も大きく広がった。
洪社長は、「日本向けだからといって味を変えるのではなく、ブランドの個性はそのままに、(辛さを抑えた)辛さの入り口となる商品を増やしていきたい」と話す。
日本という成熟市場や食文化を理解した上で、ブルダックらしさを伝えていく――その姿勢は、日本と韓国、それぞれの食文化を見つめる視点に支えられているように感じた。


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