
このグラフからは、新たな恋愛関係を1人作るためにはいくらの年収が必要になるかがわかります。男性の場合、20〜24歳なら100万円台、25〜29歳なら300万円台、30〜34歳なら600万円台と年齢があがるごとに必要な年収があがっていきます。悲しいことに40歳以上になるとたとえ1000万円以上の年収があっても新たな恋人を作れるのは1人を割り込みます。ここからわかるのは、男の場合でも年収以上に若さが重要であるということです。
一方、女性の場合は、ほぼ年収の上昇と新たな恋愛人数に相関はありません。圧倒的に20〜24歳の頃が恋愛できるということです。
つまり、恋愛関係の創出にあたっては、「女は年齢」であるのはその通りですが、「男もまた年齢」なのです。特に、男性の場合、25〜29歳あたりで「年齢より年収」の比重が高まってしまうため、25歳を過ぎると「高年収でなければ恋愛もできない」ということになっていくわけです。
よくよく考えれば、20代前半あたりでの恋愛関係は、相手の年収などをいちいち考慮して始めるものではありません。もちろん、それは必ずしも将来の結婚を想定しているものではないでしょうが、とはいえ、今回の試算で明らかになったのは、少なくとも30歳を超えてゼロから恋愛相手を探すのはかなり難しいということです。
私は常々「恋愛強者3割の法則」と言っていますが、強者にとっては年齢も年収もあまり関係ありません。30歳や40歳を過ぎようと、いくらでも相手を見つけることは可能でしょう。しかし、残りの7割にしてみれば、20代前半あたりで恋愛関係を構築していないと、その後の戦いは、特に男性の場合「年収という経済強者か否か」という問いをつきつけられることとなり、多くの経済中間層は「お金がないから恋愛もできない」という状況に帰結していくことになります。
「同じ職場の縁」が失われた影響
こうした要因には、昨今職場結婚が激減しているという事情が考えられます。かつて昭和の皆婚を実現させていたのはまぎれもなく「お見合い代替」的な職場結婚でした。しかし、昨今、職場での恋愛はセクハラ扱いにされるリスクもあり、そもそも上司や先輩が結婚を話題にすることすらタブー視されています。本来、毎日職場で顔をつきあわせていれば恋愛関係に発展するのは自然でしたが、今ではそれが忌避すべき行動になっています。
同じ会社に入ってきたこと自体が何かの縁だったはずなのに、その縁はなかったことにされてしまう。それでは20代の若者が「出会いがない」と嘆くのも当然です。
若者の婚姻減について経済的要因が大きいのは否定しませんが、経済条件を超えた「同じ職場の縁」というものが失われてしまうと、ますます「恋愛も結婚も金次第」が加速することになります。
職場外で婚活する場合、年収こそが唯一のスペックとなってしまい、それは本人というより年収という数字しか見られないことになります。選ばれる年収を稼ぐまで頑張って、気が付いたら30代半ばになって、年齢的に恋愛が困難になる。これでは婚姻が減るだけでしょう。
「結婚を金次第」にしてしまうのは、20代前半での恋愛初動の遅れに尽きるのかもしれません。晩婚化ではなく、問題は「晩恋化」にあります。男も女も恋は若いうちに。


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