いやいや、別荘とはいえ、バブル崩壊後の“負の遺産”である。それなのになぜ、売れるのか。どうして、島の物件のほとんどが大阪の高野さんの元に集まってくるのだろうか。
夜になると、島全体に明かりが灯る
別荘オーナーの多くが鴻島を訪れる夏、夜になると、島全体の別荘に明かりが灯る。その景色を高野さんはこう語る。
「島全体がパーっと輝くんです。『日本のエーゲ海』と言われるだけあって、日本離れした景色が見られます。瀬戸内の海って、めちゃくちゃいいなと思います」
鴻島には橋がかかっていない。フェリーに乗るしか行く手段がない離島だ。
しかも、飲食店もスーパーもない。そんな離島に、わざわざフェリーに乗ってくる人はほとんどいない。だから、プライベートリゾートのような環境が手に入る。やってくる人は、15分の船旅で、オフのスイッチが入るそうだ。
「絵描き作家の別荘オーナーさんは、鴻島でないと絵を描けないと言っています」(高野さん)
大阪からは約1時間半。関西圏の客は、鴻島を訪れると「こんな近場に穴場スポットがあったなんて」とびっくりする。高野さんはここを「秘密基地」と表現する。
「お客さまからは、『鴻島で過ごして帰る船で、また、頑張ろう!とオンのスイッチが入る』と聞きます。本当に自然の音しか聞こえて来ない。釣り糸をたらして、浮きを眺めつつボーッとする時間は最高です」(高野さん)


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