――今回の金融商品取引法の改正をどう意義づけていますか。
ブロックチェーン上のステーブルコイン、トークン化預金、債券や株式などのトークン化資産は今後、金融取引のど真ん中に位置づけられていくだろう。暗号資産というオンチェーンの資産を金商法の世界に取り込む今回の改正は、そのファーストステップになるとみている。
金融の将来像はいくつか描けるが、中でも大きなインパクトをもたらすのは間違いなくAI(人工知能)だ。これまでは業務効率化のために活用されてきたが、いよいよ顧客との接点にAIが登場してくる。
顧客がAIエージェントに金融取引を任せる一方で、銀行や証券、生保など金融機関側のフロントもAIが担う時代がやってくるだろう。それらのAI同士が効率よく取引をするにあたっては、(あらかじめ定めた条件を満たした場合に取引が自動執行される)プログラマビリティーやデータ改ざんに強いといった特徴を持つブロックチェーンを活用するのがいいと考えている。
AIとオンチェーンで取引が自動化されるうえ、AIは人と違って眠らないので24時間365日動く。言葉の壁もないので地域を超えて連結していく。その帰結として、今まで縦に区切られていた銀行、証券、保険といった業態の壁は薄くなっていく。銀行や証券などで個々にある口座も1つのマルチウォレットに集約化され、その中でいろいろな金融サービスが完結していくだろう。
「金商法の世界」に入る意味合い
――そのような世界観をいつから持っていたのですか。
私自身、2014年のマウントゴックス事件の時から暗号資産をめぐる法制度の議論に一貫して関わってきた。ブロックチェーンについても、自民党内で「ブロックチェーン推進議員連盟」を設立し会長を務めるなど関心を持ってきたが、当初念頭にあったのは貿易取引や排出権取引などへの活用だった。
潮目が変わったのは去年。(ステーブルコインを包括的に規制する)ジーニアス法の成立でアメリカがステーブルコインに一気に舵を切ってきた。今年1月のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)でもオンチェーンが話題になっていた。
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