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《クマ被害》都内の山中でも相次ぐ負傷者…低山登山で最大のリスクはクマ!「まさか」と思っている人ほど危ない

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クマ出没を警告する看板
都内の山でもクマ被害が多発している(写真:スムース/PIXTA)
  • 羽根田 治 フリーライター/長野県山岳遭難防止アドバイザー
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国内では本州と四国に生息しているツキノワグマは、森林地帯を主な生息環境とし、山麓部から標高3000mの高山帯までを活動域としている。

とくに好んで利用するのが、エサとなるドングリ類が実る標高800〜1500mの落葉広葉樹林帯、つまりは低山地帯である。

しかも、この数十年の間にクマの分布域は大幅に拡大し、個体数もかなり増えているといわれている。

早い話、奥多摩にかぎらず、全国各地のどの低山においてもクマに遭遇するリスクはあるわけで、今はそのリスクが高まっている可能性も充分考えられる(ただし九州のツキノワグマはすでに絶滅。本州では千葉県だけクマの生息が確認されておらず、四国でも剣山の周辺に30頭前後が生息するのみ。また北海道には全域にヒグマが生息する)。

実際、直近でも5月27日に福島県金山町の高森山(標高1100m)で、登山道を整備していた70代男性がクマに襲われ、右腕と右太ももを噛まれて病院に運ばれる事故が起きた。

群馬県桐生市の鳴神山(標高980m)でも6月29日、50代の男性が単独で登山中、山頂付近でクマに襲われて顔や左手にケガを負い、ヘリコプターで病院に搬送された。

そのほか、京都の大文字山、秩父の三峯神社の奥宮参道(登山道)をはじめ、各地の山中や山麓部などでクマの目撃情報が相次いでいる。

昨年のクマ出没件数は5万件以上

クマによる出没情報や人身被害については環境省が取りまとめて数字を発表しているが、出没件数はここ10年ほど高水準で推移し、昨年は5万801件(前年比3万288件増)と最多を更新した。

人身被害は年によってかなりばらつきがあるが、昨年の被害件数216件、被害者数238人、死者数13人と、やはりいずれも過去最多となった。

ただ、近年常態化しているのは人里への出没であり、昨年はそれが市街地や住宅街にまで広がったことで大きな話題となった。

分布域が拡大し、個体数も増加しているのだから、山でも目撃情報や人身被害は増えているだろうが、下界ほど急増しているわけではなさそうだ。

繰り返すが、山はクマの生息地であり、山にクマがいるのは当たり前の話である。そこに登山者が入り込んでいけば、お互い気をつけていたって、遭遇することもあるだろう。

だから事故のリスクがゼロになることはないと、クマ研究の第一人者で、ミュージアムパーク茨城県自然博物館館長の山﨑晃司氏は話す。

「山でのクマによる人身被害については、野山に生息するほかの危険生物による被害、たとえばスズメバチに刺されたり、マムシに咬まれたりするのと同様と考え、対処を誤れば被害が及ぶものだと認識するのがいい」(山﨑氏)

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