安全性能についても、車体の70%以上に高強度鋼を採用したモノコックボディに加え、バッテリーを車体構造の一部として組み込むCTB(Cell To Body)技術、制御ユニットをバッテリーユニットに統合し衝撃吸収スペースを拡大したX-PACKなど、軽自動車という限られた寸法の中で安全性を最大化する専用技術を投入し、JNCAPでの5つ星評価獲得を目指すという。
発表会に登壇した広瀬アリスさんは、RACCOのCMキャラクターとして会見に花を添え、報道陣の関心を集めた。ドライブが好きで自身でもハンドルを握るというアリスさんは、電動スライドドア、広い室内空間、EVらしい加速感などをRACCOの魅力としてアピールした。
販売網を拡大し、日本市場での覇権を狙う
BYDは日本の軽自動車市場(年間約130万台、乗用車全体約400万台のうち約3割を占める)で、まず年間1万台の販売を目指すとしている。価格発表前の時点でも、およそ150組のユーザーから「買うよ」という返事をもらっているという。全国の販売店網についても、中規模都市へのサテライト拠点を強化するなど「点から面」への拡大を急ぐ方針だ。
軽自動車は日本独自の規格であり、これまで海外メーカーが本格参入することはなかった市場である。そこに価格と装備、そして専用開発による作り込みで勝負を挑んできたのがRACCOだ。
国産勢が長く占有してきた軽自動車市場に、日本人技術者を介さずに開発を成し遂げた中国メーカーの「本気度」がどこまで食い込めるか。単なる1台の新車発表にとどまらず、日本の自動車産業にとっても示唆に富む試金石としても、BYD RACCOには今後の販売動向が注目される。

