自社が攻撃を受けていなくても、重要な物流会社や委託先、クラウドサービスが止まれば、自社の商品やサービスを提供できなくなる。サイバーリスクは、もはや情報システム部門だけの問題ではなく、調達、物流、製造、販売を含む経営上のリスクなのである。
サプライチェーンには2つのサイバーリスクがある
今回の事案について、攻撃者が子会社や取引先を経由してニチレイグループへ侵入した、いわゆる「サプライチェーン攻撃」であったかどうかは、現時点の公式発表では明らかにされていない。
一方で、今回のシステム障害が、ニチレイグループ内にとどまらず、外食、小売、食品メーカーなど多くの企業へ影響を及ぼしたことは、サプライチェーンを介して被害が広がる現実を示している。
サプライチェーンを巡るサイバーリスクには、大きく分けて2つの側面がある。
1つ目は、今回の事案が該当すると確認されているわけではないものの、一般に、取引先やグループ会社が攻撃者の侵入経路として悪用されるリスクである。
セキュリティ対策が比較的強固な大企業を直接狙うのではなく、ネットワークや業務システムで接続されている子会社、業務委託先、仕入先などへ侵入し、そこから本来の標的へ攻撃を広げる手口がある。

