人生で初めてウサギ肉を食べた私の正直な感想は、「これ完全にケンタッキーのチキンじゃん!」「食感はものすごく鶏肉と似ている」「パサパサしている部分もあれば、ジューシーな部分もある」「英語の意味は分からないままだけど、味は上品なシチューみたいな感じ」「けっこう美味しい。点数を付けるなら85点くらい」「減点の理由は値段が高いから」といったポジティブなものだった。
肉に臭みはなく、食感は部位によって異なる。かなり小さい骨が多いので、フォークやナイフで食べるのは不向き。素手で解体しながら食べる必要がある。両手が汚れる点を含め、ケンタのチキンを食べているような気持ちになった。私が次に『鋼の錬金術師』を読み返す際は、きっと『カーネル・サンダース』がほくそ笑む光景が脳裏に浮かぶのだろう。
マルタで考えた「人生のバランス感」
坂の上から大砲で敵兵を狙い撃ちにするなどの目的のため、マルタ共和国は坂道だらけ。徒歩での移動中は常に筋トレ気分。私が宿泊したホテルも「勘弁してくれよ」「これ一回ホテルに戻ったら外に出るのが億劫になるやつだ」と笑っちゃうくらい激坂の上にあった。
真剣な話、年齢を重ねて足腰が弱ってしまった場合、同国を観光するのは少し厳しいかもしれない。もちろんエイジ(年齢)とステージには個人差があるため一概には言えないが⋯⋯「人生の楽しみを先送りにしすぎるリスク」については改めて考えてみる価値がありそうだ。
円安が一向に止まらない今、海外渡航のハードルは年々じわじわ上がり続けている。渡航を躊躇してしまう気持ちは、私も同じだ。その一方で、人生は有限であり、健康寿命もまた有限だ。お金やキャリアなど、人生の「守り」を固めつつ、いかにして「攻め」の姿勢を取り戻していくか⋯⋯。
日本の“サムライ”たちはマルタ共和国のように「守り」には馴染みや強みがあるが、ちょっとだけ「攻め」は苦手なのかなという印象がある。それぞれの個人に適した「好守のバランス感」を見つけることができれば、人生の幸福度や満足度は大幅に高まる、ような気が実体験からしているのだが、抽象論でしかないのでこのあたりでやめておこう。
最後に余談だが、私はマルタ共和国で朝食込み、1泊1万2000円のホテルに宿泊した。同国ではリーズナブルな部類のホテルだったが、部屋は広くて清潔感があり、なんとシャワールームには「シャンプー」が置いてあった。
今回私はマルタ共和国を含め、欧州4カ国を5泊8日、総額16万円で旅したのだが、すべての宿泊先でボディーソープとシャンプーが置いてなかった。だからこそと言うべきか、マルタのホテルで頭と体を「シャンプー」で洗った時の喜びと言ったら⋯⋯。

