この経済の担い手がAIエージェントで、100兆個規模まで広がると見込む。物理世界ではヒト型ロボットのヒューマノイドが10億台稼働する。これらを支えるインフラ投資は年間5兆ドル、約800兆円に達すると試算した。
「止められない」という認識
数字だけなら例年のビジョン講演と変わらない。この日の孫氏が踏み込んだのは、その先の論理だった。
地球の生命がバクテリアから進化した原動力を、孫氏は「自己増殖」と「自己進化」の2つに求めた。同じ仕組みが、これからのAIに備わるという。「もう人間がエージェントを作る時代は終わるんです。エージェントがエージェントを作るようになるわけです」。AIが自らを複製し、自ら改良する。数は100兆個で止まらず1000兆個へ膨らみ、人間の手を離れて賢くなっていく。
そして孫氏は、この流れを人間の意思では止められないと明言した。「なるとしたら止められないんです。日本で止めようとしたってアメリカが動くわけです。アメリカが止めようとしたって中国が動くわけです」。だから拒否ではなく共存を選ぶしかない。人間はAIを分身として使いこなす「スーパーヒューマン」になるべきだ、というのが孫氏の結論だった。

