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ライフ #名著は知っている

知性は言葉や記号だけで成り立つか、身体なきAIに真実は宿るのか ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』を読む(下)

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『薔薇の名前[完全版]上下』ウンベルト・エーコ 著
ウンベルト・エーコ『薔薇の名前[完全版]上下』河島英昭、河島思朗 訳/東京創元社

「知を管理する者が、権力を握る」。博覧強記の記号学者ウンベルト・エーコが自身初の小説『薔薇の名前』に込めたメッセージは、とはいえ単なる検閲批判や権力批判にとどまらない。

ビジネスに効く名著のエッセンスを識者がコンパクトに解説する。【原則土曜日更新】

エーコは作中に登場するインテリ修道士たちに、あるテーマについて盛んに議論させている。「言葉は真実をあらわすか」。1980年にイタリアで原著が刊行された本書の問いは、時を経てAI時代の核心テーマでもある。中世を舞台にした知的ミステリーの体裁を取りつつ、アカデミック小説の金字塔と評されるゆえんだ。

物語の始まりは1327年。北イタリアの山腹に立つ修道院で修道僧が次々と惨殺される不可解な事件が起きる。片や世界中の知が集められた巨大な図書館には、禁断の秘密が隠されている。

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