人口流出が深刻な自治体はどこか。単純に転出超過数の人数で見ると、人口規模の大きい都市が上位に入りやすい。だが、人口に対してどれだけ住民が流出しているのかの率を見ると、異なる自治体が上位にランクインする。
今回は、総務省の「住民基本台帳人口移動報告」と「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査」を基に、2025年中に日本人住民の「転出超過率」が高かった自治体をランキングした。対象は、25年1月1日時点の日本人住民人口が1万人以上の自治体だ。
転出超過数とは、他市区町村への転出者数から、他市区町村からの転入者数を差し引いたもの。転出者が転入者を上回れば「転出超過」、転入者が転出者を上回れば「転入超過」となる。ランキングは国内の市区町村間移動を対象としており、国外からの転入、国外への転出、出生・死亡による人口増減は含んでいない。
表示上同率の場合でも、順位は小数点以下を含む転出超過率で判定した。転出超過率が同じ場合は転出超過数、団体コードの順で順位を決めた。
能登半島地震の影響を受けた自治体が上位に
転出超過率が最も高かったのは、石川県珠洲市だった。2025年中の日本人住民の転出超過数は719人、転出超過率は6.36%に達した。2位も同じ石川県の輪島市で、転出超過数は946人、転出超過率は4.54%だった。上位は能登半島地震の影響を受けた自治体が目立つ。被災エリアからの避難や生活再建に伴って、住民票を移した人の動きが数字に表れている可能性がある。
上位には北海道の自治体も多数ランクインした。3位は北海道倶知安町で、転出超過数は297人、転出超過率は2.20%だった。倶知安町は人口規模が1万3000人台の自治体であり、数百人規模の転出超過でも率では上位に入る。7位の遠軽町、8位の留萌市、10位の美幌町、11位の稚内市、12位の根室市などが上位に入った。
一方、人数ベースのランキングで1位だった長崎県佐世保市は、今回のランキングでは163位だった。転出超過数は1813人と多いが、日本人住民人口が23万人を超えるため、転出超過率は0.79%にとどまる。
転出超過率の高さは、その自治体の住みにくさをそのまま意味するものではないが、人口に対してどれだけ転出超過が起きているのかは、地域が抱える変化の大きさを映し出している。

