国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長は6日、ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会で米国代表FWフォラリン・バログンに対する出場停止処分を猶予した決定について、国際的な批判が高まる中、FIFAの手続きを擁護した。
インファンティノ氏は、FIFAの規律委員会が「独立かつ自律的に」運営されているとし、判定の見直しを求めたトランプ米大統領に対し、バログンの件は手続きが進行中だと伝えたと明かした。一方、トランプ氏は自らFIFAに再検討を求めたことを認めた上で、バログンの出場資格を回復したFIFAの決定を「実に見事な判断だ」と評価した。
ただ、この問題は今大会で最大の物議を醸す事態となっている。欧州サッカー連盟(UEFA)は、FIFAが「レッドラインを越えた」と批判したほか、ベルギー・サッカー協会や複数の国内協会、著名な監督や当局者、政治家からも非難の声が上がっている。
こうした中、ベルギーは、6日に行われる決勝トーナメント2回戦の米国戦を前に、バログンの出場資格回復に異議を申し立てたが、FIFAは却下。バログンはベルギー戦の先発選手に名を連ねた。
一方、5日のメキシコ戦でジャレル・クアンサが退場処分となったイングランドも、バログンへの判断を受けて、レッドカード判定への異議申し立てなどを検討していることが、関係者の話で分かった。
トランプ氏「再検討求めただけだ」
トランプ氏はホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、「私がやったのは再検討を求めたことだけだ。反則ではないと思ったからだ」と語り、判定を覆すようFIFAに圧力をかけたわけではないと述べた。
また、バログンを退場処分にしたブラジル人主審のラファエル・クラウス氏の判定の質にも疑問を呈し、「過去を調べれば少し疑わしい」と述べた。詳細については触れなかった。
ベルギーではFIFAの決定に反発が広がっている。ベルギーのプレボ副首相は「この理解し難い決定の背後に本当にこの電話があったのであれば、サッカーとスポーツの最も基本的なルールを踏みにじるものだ」との声明を出した。
決勝トーナメント2回戦に進んだスイスのサッカー協会(SFA)は「バログンの件を巡る決定は、その経緯がどうであれ、理解し難い」と表明。「この決定は疑問を生み、特にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が関与した場合の判定の権威について不確実性を生む」と危惧した。
ドイツ代表監督就任に向け交渉中とされるユルゲン・クロップ氏も「トランプ氏とインファンティノ氏が本当に自分たちでこの件を処理したのであれば、狂気の沙汰だ。あらゆることが疑問視される。サッカーを何も知らないこの2人は、この件に一切関わるべきではない」と非難した。


