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血管炎治療薬で多数の死亡例、キッセイ薬品が直面する"ジレンマ"・・・欧米で承認撤回の動きも、開発元から「詳細明かされず」

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国内販売権を持つ難病治療薬「タブネオス」で、有効性や安全性の問題が相次ぎ発覚したキッセイ薬品(写真:AFP=時事)

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他社からライセンス導入した医薬品の“有事”に、どこまで主体的に対応しうるか。難病治療薬「タブネオス」をめぐる問題が、製薬企業に重い問いを投げかけている。

長野県に本社を置く製薬中堅のキッセイ薬品工業が2022年に国内で発売した、ANCA(抗好中球細胞質抗体)関連血管炎の治療薬、タブネオス。アメリカのバイオベンチャー・ケモセントリクス社が創製し、開発段階の17年にキッセイが国内での開発・販売権を取得した。

ANCA関連血管炎は国の指定難病で、本来は免疫の役割を担う好中球が暴走することで、血管に炎症が起きてさまざまな症状を引き起こす。適切な治療をしなければ死に至る疾患だ。従来はステロイドを大量に投与する治療法しかなく、その副作用に苦しんできた患者にとってタブネオスは「待望の新薬」だった。ANCA関連血管炎の国内推定患者数は約2万人で、これまでにタブネオスが投与された患者は約8500人に上る。

有効性と安全性の前提が崩れ落ちる

ところが今年に入り、その有効性と安全性の前提が崩れ落ちる事実が判明。4月にアメリカ、6月26日にはヨーロッパでも、タブネオスの承認撤回が検討される事態へと発展している。

日本では、厚生労働省と承認審査を担うPMDA(医薬品医療機器総合機構)が対応を協議中だ。すでに新規患者への投与を見合わせたり、継続投与を中止したりする医療機関も出ている。キッセイ薬品の業績への影響も避けられない。今期の売上高予想957億円(前期比1.8%減)のうち、約127億円をタブネオスが占める予定だった。

発端となったのは、FDA(アメリカ食品医薬品局)の調査によって、タブネオスの第3相臨床試験(人に薬を投与する最終段階の試験)「ADVOCATE」のデータの信頼性に問題があると判明したことだ。

臨床試験の際にはデータの客観性を保つため、薬を投与した患者とプラセボ(偽薬)を投与した患者を試験担当者が判別できない「盲検化」状態にする。だがFDAによると、この臨床試験では盲検化を解かれた担当者が、評価項目の結果を操作していた疑いがある。本来は十分な有効性を示せていなかったデータを、有効であるかのように見せることが目的だったという。

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