秋田内陸縦貫鉄道は第三セクターの鉄道会社。秋田内陸線は、秋田県の角館―鷹巣駅間94.2km(29駅)を走るローカル鉄道だ。「ごっつお玉手箱列車」は、そのうち角館―阿仁合駅間の61.2kmを走る。
ただし運行するのは毎年11月末〜3月初旬くらいの間で10回ほど。なぜ冬の時期だけなのかというと、農閑期だからだ。この列車は農家の方々の料理で成り立っている。
集合は角館駅。JR角館駅の隣に、秋田内陸線の角館駅がある。時間まで、角館の街を観光した。角館駅出発は11時50分、終点の阿仁合駅に到着するのは13時14分だから、約1時間半の旅となる。
「ごっつお玉手箱列車」は普通車両を使用、座席は4人掛けのボックス席だ。時と場合によって、車両が変わることもあるらしい。後ろは一般車両で、2両編成で運行する。席にはすでに、漬物とお品書きが置かれていた。見るとほぼ満席で、人気の高さがうかがえる。
すべてのメニューに「名前」が書かれている
列車が発車すると、割烹着を着た農家のお母さんたちが、まず温かいほうじ茶を配ってくれた。これで漬物をつまもう、と思ったら、すかさず車内販売が。秋田内陸線のラベルの日本酒を買い、これ幸いと、日本酒で漬物をつまむことにした。漬物は普段はあまり興味がないのだが、これは大変おいしく、特にいぶりがっこが絶品だった。
ちなみにお品書きには「けい子さんの漬けもの」とあった。見ていくと、「弘子さんの焼き栗」、「昭子さんのご飯」など、すべてのメニューに名前が書かれている。実はこれがこの列車のいちばんのポイントだ。
「ごっつお玉手箱列車」には行程表のようなものはない。教えられているのは、発車時間と到着時間だけである。次はどうするのだろう、と思っていたら、八津駅で停車して、女性が何か紙袋を車内の方に手渡しするのが見えた。

