東洋経済オンラインとは
ビジネス #鉄道最前線

タイで再デビュー、元JR東「キハ40」復活までの舞台裏 タイ国鉄「中古車両導入のキーパーソン」に聞く

11分で読める
タイ国鉄 キハ40
タイ・バンコク近郊で運行を開始した元JR東日本のキハ40系気動車(筆者撮影)
  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

最終的に技術者が招かれ、レムチャバン駅構内で台車の取り外し作業が行われたのは2025年3月のことである。駅構内で長期の留置が続いたこの間には、悪質な鉄道ファンによる車両部品の盗難も発生してしまった。

その後、まず台車のみが新たな住処となるSRTマッカサン工場に搬入され、SRTの手によってメーター軌に対応する改造が行われた。そして同年5月には、晴れて車体も同工場に到着し、タイでの運用開始に向けた各種改造工事がスタートすることになった。秋田を出発して1年、本当に長い道のりだった。

復活を遂げたキハ40系が朝日を浴びてドンムアン駅に入線。乗客が一斉にスマホを向ける(筆者撮影)

中古車両は日本とタイ「友好の証」だ

アディソン氏の回答からもわかる通り、現在のタイは中古車両の導入に対して門戸を開いており、慢性的な車両不足に対する一つの解決策となっている。キハ40系に続き、さらなる譲渡もありうるのではと予想できる中、これらのトラブルが水を差す可能性もあった。

「バンコク近郊都市から中心部へより快適に!」キハ40系車内の中づりには日本語が併記されている(筆者撮影)
【写真をもっと見る】タイ国鉄で復活を果たした元JR東日本の「キハ40系」。日本での現役時代をリスペクトしたようなカラーリングや日本語の表示が残る車内など、バンコク近郊で「スペシャル通勤列車」として走る様子

過去の中古車両導入の際には、コロナ禍の影響で車両が港に長期留置されて車体が劣化し、タイのメディアから中古車両の導入が大きく非難されるという事態に発展したこともあり、このようなトラブルは看過できるものではない。中古車両は日本とタイの鉄道を結ぶ友好の証である。受注企業は日本の会社とみられているが、責任を持った対応をお願いしたいものだ。

この記事の【前編】はこちらタイで復活、元JR東日本「キハ40系」の意外な使い道 「観光列車」ではなく都心にも乗り入れない事情
【写真を見る】タイで再デビュー、元JR東「キハ40」復活までの舞台裏 タイ国鉄「中古車両導入のキーパーソン」に聞く(23枚)
鉄道最前線の最新記事はX(旧ツイッター)でも配信中!フォローはこちらから

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数