有料会員登録 東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

GIGAスクールの端末活用に「4次元の格差」、学校間の違いは"管理職"が原因→格差を埋めるカギを握るのは?

12分で読める
タブレットを使った授業
いまだ端末が保管庫に入れたままの状態の学校もあるという(写真:cba / PIXTA)
2/5 PAGES
3/5 PAGES

「学校現場には独特の文化やルール、言葉や考え方があります。一方で、ICT業界にも専門用語や考え方が存在します。学校で当たり前に使われる言葉でも、民間企業出身者には意味が伝わらないことがあるし、その逆もある。ICT支援員は、その間に立つ“通訳”なんです」

五十嵐氏は続ける。

「ICT支援員に求められるのは、ICTの知識だけではありません。教育への理解やコミュニケーション能力も欠かせない。ICTに苦手意識を持つ教員の不安を和らげ、『やってみよう』と背中を押すコーチングの役割も担う、実はかなり難しい仕事なんです」

GIGAスクール構想開始から5年以上が経過し、現場で求められる知識やスキルも見えてきた。クラウドサービスの仕組み、文部科学省から出ているさまざまなガイドライン、学習指導要領、学校教育制度、校務や授業の実際――。

学校とICTをつなぐだけではない。ICT支援員は、学校と教育委員会、教育委員会と企業や外部団体をつなぐ役割も担っている。五十嵐氏によれば、特に小規模自治体ではGIGAスクール構想を担当する指導主事が一人だけというケースも少なくないという。授業改善のための活用アドバイスや校務支援に加え、環境整備の必要性からGoogle WorkspaceやMicrosoft 365などクラウドや各種アプリケーションサービスの管理まで担当していることもある。

「指導主事の先生方は、本当に必死なんです。でも誰かが教えてくれるわけではないし、相談相手も少ない。どうしたらいいかわからなくなってしまうこともあります」

実際、本来確認すべき企業からの重要な連絡を見落としてしまうこともあるという。

「システム管理者宛に英語のメールが届いても、スパムだと思って削除してしまうことがあります。実は重要なお知らせだったのに、『知らなかった』ということも起きるんです。教育委員会の中には圧倒的に、こうしたシステムの管理部門がないのです」

こうした情報や課題を整理し、必要な相手につなぐこともICT支援員の重要な仕事だ。

自治体格差は「組織の差」

では、自治体間の格差はどこから生まれるのか。五十嵐氏は、その原因を「予算の多寡ではなく、組織の違い」だと見る。五十嵐氏が好事例として挙げるのが、鹿児島県鹿児島市(公立小74校、公立中36校)だ。

「鹿児島市は、最初は少人数だったGIGA担当チームを大幅に拡充しました。ICT支援員も年々増員しています」

4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数