「登竜門」という戦略は日本側から見れば成功だが、ベルギー側でさまざまな見方が存在する。立石氏もそれを認めたうえで、STVVは日本人選手の獲得と並行して、地元出身の選手の育成にも力を注いできたと語る。
「外国籍選手ばかり獲得してきたため、地元サポーターの心をつかみきれていないと感じていました。ハスペンゴウ(STVVが本拠を置くシント=トロイデン周辺の地域)の選手をしっかりと育て、地元選手が常に4~5人ピッチに立っている状態を目指したことで、地元のサポーターとの一体感も生まれています」(立石氏)
ジャパネットも出資、広がる「オールジャパン」の輪
3期連続で黒字化を達成して債務超過も解消し、日本代表にも多くの選手を輩出したSTVV。その成果に注目した日本企業が、STVVの経営にも参画している。2025年7月、ジャパネットホールディングスはSTVVの株式19.9%を取得し、第2位株主となった。その経緯を緒方氏はこう語る。
「当初、ジャパネットの高田旭人さんからは『STVVを買収したい』という申し出がありました。DMMグループとしては主体的な意思決定をしていきたいと考えているため、売却はお断りしましたが、高田さんはSTVVの8年間の取り組みを非常に高く評価してくださいました。同社はJ1に昇格したV・ファーレン長崎のオーナーでもあり、複数のクラブを経営するマルチオーナーシップにも高い関心をお持ちでした。そこで、資本提携をする形で着地しました」(緒方氏)
この提携によって、BSでのSTVVの全試合の放映や、長崎スタジアムシティを活用したスポンサー向けイベントの開催といった新たな試みも生まれている。

