「スペインのサッカークラブには『ソシオ』という会員制度があります。会員費によって、クラブを支える運営方法です。その発想と似ています。しかし、スポンサー企業が増えるにつれて、理念への賛同だけでなく、直接的なエンゲージメントが必要なのではないかと思うようになりました」(立石氏)
そこで、始めたのが、スポンサー同士が交流できる「ビジネス交流会」だ。現在は、月に一度DMMの本社などで交流会を開いている。
ビジネス交流会は、STVVをハブとして、スポンサー企業同士のビジネスマッチングが生まれる場になっている。2026年6月に行われた年次スポンサー報告会には178社319名が参加し、そのうち半数が役員以上の職位だったという。
日本式経営を根付かせる試行錯誤。年3回の個人面談
財務の黒字化と並走して、現地組織の運営にも取り組んできた。個人主義が根付くベルギーで、日本的な経営を根付かせることは容易ではなかったという。特に、最初の2~3年は、ベルギーの国内法や従業員の気質の違いに戸惑いもあった。
「週38時間以上は働けない、祝日も必ず休まなければならないという法律があります。そのため、忙しい開幕前に社員が急に休むこともあります。さらに面談の場も日本とは大きく違います。日本では目標設定やどうスキルアップしていくかを話すのに対して、ベルギーの場合は条件面の交渉が多い。自分は100点満点の仕事をしている、というのが基本的な姿勢です」(立石氏)
この認識のギャップを埋めるために導入したのが、年3回の個人面談だ。面談では数値目標の設定を行い、細かなディテールまですり合わせをするようにした。日本企業では当たり前の取り組みを、丁寧に説明しながらベルギー本社にも浸透させてきた。
「完全に現地スタッフが納得しているわけではないかもしれませんが、少しずつ理解してもらえるようになってきたと感じています」(立石氏)

