犬は毎日散歩するが、数十キロもゼーゼー言いながら走ったりしない。平地を楽しく歩く、もしくは軽くかけっこするだけ。階段よりもスロープを好み、しょっちゅう伸びをする。朝起きても伸び、昼寝の後も伸び、まるでヨガのようだ。
「心臓は力任せに縮むのではなく、柔らかく開いて、反動で押し出すしなやかさが重要です。無理な運動よりウォーキングやストレッチ・ヨガで体を柔らかく保つことのほうがずっと大事なんです」
40~50代からは「足し算」より「引き算」
現代人は健康になろうとするとき、高価なサプリや激しい運動など、つい何かを増やす「足し算」をしてしまいがちだ。
しかし、井上院長が勧めるのは見事な「引き算」である。
まず食事量を減らす。いびき(睡眠時無呼吸)やアルコールの負担を減らす。心臓や関節を痛めつける無理な運動を減らす。犬のようにただ平地を歩き、伸びをし、足腰の筋肉をしなやかに保つ――。
もし万が一不整脈になっても、今はカテーテルアブレーションという強力な味方で安全に根本治療できる時代になった。だからこそ過度に怯えることなく、自分の体のメンテナンスに集中すればいい。
たった一つの大切なエンジン(心臓)を守り、40~50代からの人生後半戦をできるだけ長く、快適に走らせるために。

