さらに、おばあちゃんは、何度もダルマをコロコロ転がしながらのび太に話してくれました。
「ねえ、のびちゃん。ダルマさんてえらいね。なんべんころんでも、泣かないでおきるものね。のびちゃんも、ダルマさんみたいになってくれるとうれしいな。ころんでもころんでも、ひとりでおっきできる強い子になってくれると………、おばあちゃん、とっても安心なんだけどな」
こんな優しいおばあちゃんに、のび太ははっきり言いました。
「ぼくダルマになる。やくそくするよ、おばあちゃん」
この日の誓いを昨日のことのように思い出し、ダルマを両手でつかみ、頬擦りしながら、のび太は涙をこぼしました。
「あれからすぐにだったな……、おばあちゃんがなくなったのは」
(『てんとう虫コミックス ドラえもん 第18巻』小学館 第14話目「あの日あの時あのダルマ」より)
小さい頃に誓ったことを思い出してみよう
あなたは、おじいちゃんおばあちゃんと何か約束を交わしたことがありますか? おじいちゃんおばあちゃんがあなたに期待したのは、おそらくとてもシンプルなことではなかったでしょうか?
「お父さんやお母さんを大事にするんだよ」
「お友だちと仲良くするんだよ」
「先生の言うことを聞くんだよ」
「けがしないように遊ぶんだよ」
親に言われたら「うるさいな、そんなあったりまえのこと言わないでよ」と反抗したくなることでも、おじいちゃんおばあちゃんなら「わかったよ。約束するよ」と、不思議と言えたのではないですか? おじいちゃんおばあちゃんが言っていたことは、シンプルすぎるように思えたけれど、実に大事なことだったのですね。
今は核家族時代ですから、祖父母と接する機会が減った人も多いはず。でも、子どもにとって祖父母の存在は、両親とは全然違う意味を持っています。あなたが親の立場なら、子どもに祖父母と過ごす時間をもっと増やしてあげてもいいかもしれませんね。

