高効率で利益を上げるのは、あの銘柄
そこで注目したいのが、プロ500夏号に掲載されている「高ROE(自己資本利益率)ランキング」である。東京証券取引所などから資本効率の向上が要請される今、ROEは市場で重視される指標の一つとなっている。株主から調達した資金で、どれだけ利益を上げたかを表し、この数値が高いほど高効率と考えられる。
全上場企業の中から「需給」「テーマ」「業績」を見極めて厳選した500銘柄を掲載する『会社四季報プロ500』。その500銘柄を最新の業績予想で分析した「高ROEランキング」を見てほしい(ページ下部)。上位1位・2位を占めたのは、破竹の勢いを続けるAI・半導体銘柄だ。
堂々のトップに輝いたのは、NAND型フラッシュメモリーの世界大手メーカー、キオクシアホールディングス(285A)。AI需要が強烈な追い風となり、データセンター向けが絶好調。今2027年3月期の営業利益は前期比6.4倍の5兆6000億円が見込まれる。業績に連動して株価も青天井で上昇しており、24年安値1440円から6月高値8万3140円まで、実に57倍。テンバガーどころか、それをはるかに凌駕する「50倍超株」へと大化けした。
2位に入ったアドバンテスト(6857)は、世界大手の半導体検査装置メーカーだ。半導体製造工程の後工程の複雑化で、高性能検査装置の需要が拡大している。今27年3月期の営業利益は前期比25.7%増の6275億円を計画。3期連続で過去最高純利益を更新する見込みだ。
株価軟調でも高ROEの銘柄
3位にランクインしたBuySell Technologies(7685)は高額品の出張買い取りを展開し、「福ちゃん」の屋号で知られるレクストホールディングスを傘下に持つ。前期からの繰り越し在庫に加えて、期中の出張型や店舗型の買い取りが好調で、今26年12月期の営業利益は前期比72.5%増の156億円を見込む。高額商材の買い取りに強みを持っていることもあり、8期平均の売上高営業利益率は11.1%と高い。
4位には、意外な銘柄が顔を見せた。新卒採用メディアを運営するワンキャリア(4377)だ。新卒や人材紹介などのHR関連セクターは、AIによる業務代替の進展が「脅威」とみられ、足元では株価が崩れている銘柄も少なくない。ワンキャリアも26年高値2700円から急激に売られ大陰線を示現して下落。現在は1900円近辺のボックス圏で推移している。
ただ軟調な株価とは対照的に同社の業績は好調で、AI装備の新サービスをテコに採用メディアの導入企業数が増加。今26年12月期の営業利益は前期比41%増の30億円を見込む。来27年12月期も2桁増益の勢いが継続しそうだ。高水準の利益をたたき出していることから、同社の今期ROE(予想)は38%と、かなり高い。
ランキング上位にはワンキャリアと同様に、転職情報Web「type」を展開するキャリアデザインセンター(2410)や、組織・人事・IRなど経営コンサルが主柱のリンクアンドモチベーション(2170)などHR関連企業が入っている。
HR関連企業は大きな設備投資や資産の保有が基本的には不要なため、株主から預かった資本を効率よく使い回すことができるという側面がある。また、配当を含めた株主還元に積極的な企業も多い。実力以上に売りこまれて安値放置の銘柄もあるため、株価反転の「きっかけ」さえあれば、本来の企業価値を評価されて急反発する可能性を秘めているセクターといえる。


