一方で、毎日の生活にやることがあり、それなりに充実している人ほど、自尊感情の高さをあまり気にしていない傾向があります。
また、ある研究では、人は「自信があるから行動できる」のではなく、「目の前の活動に集中し、没頭できている状態」が続くことで、結果的に自己評価が安定していくとされています。つまり、自信は先に作るものではなく、あとからついてくる副産物のようなものなのです。
自己肯定感が高い人とは
以前、ある女優の方と対談したときに、自己肯定感の話題になりました。そのとき彼女が、「自己肯定感について考えたこともない人が、一番自己肯定感が高いんですよね」と言ったんです。私は、その言葉を今でもよく覚えています。まさにその通りだと思いました。
では、なぜ私たちは「自信がない」「自己肯定感が低い」と苦しくなるのでしょうか。それは、「自信を持たなければいけない」「自己肯定感が高くないといけない」という思い込みを、どこかで強く握ってしまっているからです。
その思い込みがあると、ふとした瞬間に自分を点検し始めます。
「私はちゃんと自信を持てているのだろうか」「まだ足りないんじゃないか」と。そうやって問い続けるかぎり、不安は消えません。だから、いったんその考えを脇に置いてみてほしいんです。
自信があるかどうかは、今日は考えない。その代わりに、「今やっている仕事を、少しでも楽しくするにはどうしよう」「今日1日を、どう終えたら気持ちが軽くなるかな」と、目の前のことに意識を向けてみる。そうやって1日が終わっていくなら、自信があるかどうかは実は大きな問題ではなくなっていきます。
「自信がないな」と思いながらでも、仕事に向き合い、生活を回し、自分なりに工夫しようとする。その姿勢そのものが、すでに十分真面目で、誠実な生き方です。
自己肯定感をどうにかしようとするより、「それはさておき、今やることをやろう」と手を動かしていくこと。そのうち、自信のことは、自然とどうでもよくなってきますよ。それが真のゴールです。


