営業キロや路線数といった数字だけで、近鉄の「日本一」を語ることはできません。確かに規模は大きいですし、他の鉄道会社さんから「路線が多くて大変でしょう」と言われることもありました。
私が広報として、また1人の社員として現場に立つ中で実感してきたのは、その根底に流れる考え方の積み重ねは一貫しており、それが近鉄を近鉄たらしめているという事実でした。
何気ない一言に「近鉄らしさ」
社内や現場を歩き、現場の声に耳を傾ける中で、何度も気づいたことがあります。それは、社員1人ひとりが「自分の沿線には何があるのか」「この地域の良さを、どう伝えたらいいのか」を、ごく自然に語っているということでした。
それは決して、マニュアルに書かれたものではありません。駅の事務所で、車内で、作業場で、社員に話を聞くと、「この先の桜がきれいなんですよ」「この路線は季節で表情が変わるんです」と沿線へ目配りをしています。根っこにあるのは、お客様に近鉄の素晴らしさを伝えたいという思いでしょう。何気ない一言の中に、「近鉄らしさ」があるのだと感じたのです。

