そして、土浦が「衰退した」という見方も正確ではない。土浦市全体の人口は、ピークだった00年から23年までで約1.5%減にとどまる。市そのものが急速に縮小したわけではない。
一方、中心市街地の人口は1980年から約40年で3割以上減少した。「衰退した」と語られるのは、市全体ではなく駅前の話だ。
土浦とつくばの「下剋上」が示したもの
土浦とつくばの関係は、「勝った都市」と「負けた都市」という単純な構図では説明できない。
土浦は、県南の中心都市として買い物や娯楽、交通機能を駅前に集めることで発展してきた。一方のつくばは、国家プロジェクトによって研究機関や住宅、商業施設を内部に抱える都市として整備された。
当初、つくばは土浦に依存する「陸の孤島」だった。しかし、高速道路や商業施設、つくばエクスプレスの整備によって、土浦を経由しなくても生活が成り立つ都市へ変わっていく。
その結果、土浦駅前が担っていた買い物や娯楽、交通の中心機能は、つくば市内や郊外へ分散した。
土浦とつくばの「下剋上」とは、一方が他方を打ち負かした物語ではない。40年かけて、都市の成り立ちの違いが表面化しただけなのだ。
