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「男子ゴルフは宝の山!」——ポテンシャルを活かせていなかった男子ツアー、投資ファンド主導で株式会社化へ

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石川遼選手
男子ツアーの将来に危機感を示したという石川遼選手。J-Tour構想の背景には選手側の声も(写真:スポーツ報知/アフロ)
  • 赤坂 厚 スポーツライター
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——J-Tourの見本となるショーケースとして6大会をつくるということでした。

津坂社長 来年ですね。まだ決まっていませんが、J-Tourとして新規大会を2試合やります。それがショーケースになります。スポンサーも入れます。

——J-Tourは株式会社ですが、将来的にはどんな形に?

津坂社長 どこに行ってもJ-Tourの話をしますし、特にメディア、配信、IT、スポーツ関連企業など、さまざまな領域から関心をいただいています。将来的には上場を目指したい。投資したいという人も出てきていますが、それは仕組みを作ってからです。「どうせ応援するなら株主として一口でもいただければ」という方も多く、ありがたいです。

取材を終えて

「ありがたいです」と思っているのは、諸星会長、倉本副会長以下JGTOの役員や、ツアーに参加している選手たちだろう。

男子ツアーは1983年の46試合をピークに、91年まで40試合台だったが、バブル崩壊とともに減少し2026年は22試合と半減。賞金総額も1993年の41億8500万円をピークに、1999年以降は35億円に届くか届かないかで年を重ねている。

女子ツアーの2026年37試合、賞金総額48億9550万円(発表時)との差は歴然。JGTO幹部や選手たちの危機感もこうした中から生まれてきた。

右肩下がりになってきた1990年代後半からは、打つ手がなかったというか、何をやっても効き目がなかった。旧態依然とした大会運営の改善、スポンサーの獲得、ファンの獲得、配信の多様性やデジタル化への対応などで効果的な方法を見つけられず、現状維持が精いっぱい。

こうしたJGTOが「できなかった」部分を引き受け、競技データの収集とフィードバックなど選手へのサポートなども予定するJ-Tourの登場はまさに「渡りに船」だった。

JGTOは、HPに収支予算書が掲載されている2013年までを参考にすると(大幅な変動はないので)賞金総額を含め50億円ほどの事業を行ってきている。賞金総額を除くと15億円ほどが運営などの費用で、NSSKの投資額150億円は、投資期間にもよるが巨額の資金となる。

収益に関して、柱となるのは映像コンテンツの制作と、それを外部に配信するメディアとなる。そのためには放映権の保持が必要になる。タイガー・ウッズが出てきた1990年代終盤に米PGAツアーがテレビ放映権料を大幅に上げて現在の成功への土台としている。格闘技なども含めた多くのプロスポーツで、放映権料が収入源になっている。

各テレビ局がバラバラに持っているトーナメント中継の放映権や過去の映像についても「お金の問題」としている。「放映・配信権の整理」に資金を使うことになるだろう。将来的には有料放送も含めて収益に結びつけていくことだろう。

男子ツアーの2025年の視聴率(日本ゴルフトーナメント振興協会調べ)は、日曜日にライブ、録画合わせて地上波放送された16試合で、関東2.4%、関西2.5%。

これを「見られる」ようにするには、かなりの時間と選手の露出によるファンへの浸透が必要だ。これまでのような放送では「見られる」ようにはならないので、さまざまな配信に対応できるコンテンツ作りがやはり急務になりそうだ。

メディア配信以外の収入源として、来年からツアータイトルスポンサーに「みずほフィナンシャルグループ」が決定している。「期間、金額は明かさないが、1年で終わることではない」と、同グループの足立龍生常務執行役員が会見で話していた。

J-Tourに投資するスポンサー探しも始まっている。J-Tourが持つ権利や事業なども今後はすべて「売り物」になっていくのだろう。

JGTOが長年できなかったことを、J-Tourが始めている。ツアー制度が施行された1973年から引きずり、バブル崩壊後徐々に時代に乗り遅れてきた既存の仕組みを、新たな仕組みにするのは簡単ではない。潤沢な資金があるとはいえ、投資が回収されてお金が回るようになるまであまり時間はかけられないだろう。

「前途洋々」というよりは、これまでJGTOの苦戦を見てきただけに筆者は「前途多難」と感じるが、それも既存の考え方か。日本のプロスポーツとしても初めての試みとなる今回の変革。男子ゴルフにポテンシャルがあるか、ゴルフ界以外からも注視されそうだ。

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