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「飲みにくそう」という思い込みをどう壊したか…ブラックニッカが初心者を取り込んだブランド再生のすごい中身

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(写真:mits/PIXTA)
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こう考えていくと、ブラックニッカがありたい姿のアイデアも見えてきます。「世の中のすべての人にウイスキーの素敵な世界をお届けしたい」「お酒の好みにかかわらずみんなで乾杯できるようにしたい」などです。ブランド価値を「軽やかなウイスキー」と定めると、戦略は一気に動き出しました。

ラベルを小さく、ボトルは輝く――軽やかさを可視化

まず着手したのは、それまでボトルを広く覆っていたラベルの面積を小さくすることでした。当時の黒を基調としたデザインは、伝統や重厚さを感じさせる一方で、初心者には重くて強そうな印象を与えていました。そこで、ラベルそのものを小さくして黒い面積を減らし、中の液体の透明感が見える面積を広げることで、視覚的な軽さを表現したのです。

(画像:『ブランディング一年目の教科書 売れる価値のつくり方』)

さらに、ボトルの形状にも工夫を凝らしました。ボトルの肩の部分に縦の刻み(カッティング)を入れ、店頭の照明を受けてキラキラと輝くように設計したのです。これにより、かつての重いイメージを払拭し、明るく爽やかな印象を与えることに成功しました。

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広告ビジュアルも、このデザインに連動して爽快感のあるシーンを強調。その結果、ブラックニッカは飛躍的な成長を遂げます。今では「クセがなく飲みやすいウイスキー」の地位を不動のものにし、2022年には売上容量ベースで日本一(ニッカウヰスキー調べ)のトップブランドへと躍進したのです。

補足すると、もともとのウイスキーファンも、多くがリニューアル後のブラックニッカを支持し続けてくれました。リニューアルの際には、既に存在していた愛飲者がどう受け止めるかについて、慎重に議論が重ねられました。それでもなお「入門に最適」という価値を打ち出したのは、もっと多くの人にウイスキーの魅力を知ってほしいという、メーカーの強い想いがあったからです。

ブラックニッカはその後も、時代に合わせてブランド価値を更新し続けています。ブランドは一度つくって終わりではなく、社会の変化に応じて価値を磨き続けることで、長く愛される存在になっていくのです。

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