「大切なのは、少しずつでもアップデートを繰り返していくことだと思っています。今の時代は変化が早すぎて、5年後にどうなっているかは予測できない。だからこそ、『今ここ』にある状況を、なるべくポジティブに変換していくことが大事だと思っています」
助成金「2000万円」が対象外に
無料開催を続けるための資金設計は、より難しくなっている。
日比谷音楽祭は今年、行政からの助成金の対象外になった。これまでは文化事業として、毎年最大2000万円の助成金を受けていたという。
「僕らとしては、経費を切り詰めながらカツカツの状況でやっているのですが、数字上は『もう自走できるほどになった』という評価をいただいたのかなと思ってます。これは新しい挑戦をする機会だと思っています」
その状況を受け、亀田たちはスポンサーへのアプローチやクラウドファンディングの設計を見直している。今年はクラウドファンディングの目標金額も、昨年の3000万円から4000万円へ引き上げた。
「いつも危機感を持ちながらスポンサーにアプローチしていますし、クラウドファンディングのリターンも考えています。そういう危機感の中で、いかにポジティブに自分たちをアップデートしていくか。それを繰り返している感覚です」
変わってきたのは、協賛のあり方そのものだ。
一般的にイベント協賛といえば、ロゴ掲出、ブース出展、サンプリングなど「広告露出の費用対効果」が主なメリットだ。だが今、日比谷音楽祭が企業とともに描いている協賛の価値は、単なる広告枠の費用対効果だけではない。
「企業の皆さんが、今、社会に対してどんな思いでアプローチしようとしているのか。そこをきちんと聞き取る必要があるんです」
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【生身の人間が音を鳴らす意味】
