最初に登壇したNERAの石垣浩晶氏は、スマホ新法によって代替アプリストアや外部決済などの『選択肢』は確かに増え、競争促進の効果は出始めているとしながらも、その利益が本当に消費者に届いているのかについては『疑問だ』とした。
講演では、アップルやGoogleの手数料引き下げによって、開発者や決済事業者の取り分は増えている一方、アプリ価格の大幅な低下は確認できていないと指摘された。また、代替アプリストアとして、3月にはBBSS『あっぷアリーナ!』、5月には『Epic Games Store』がオープンし、6月以降にはDMMがオープンするということで、一定数の参入はあるが、トラブルが起きた時の責任問題、撤退した時の救済(EUでは撤退した代替アプリストアで購入したアプリが使えなくなる事例がすでに発生している)など課題はある。
スマートフォンは交通、金融、行政、本人確認など社会インフラの入り口になっているため、単純な『開放』だけではなく、セキュリティや責任分担、利用者保護とのバランスが重要だと強調した。スマホ新法の評価軸は、「アップルやGoogleの力を削げたか?」ではなく、「消費者利益につながったか?」であるべきだというのが、石垣氏の主張である。
AIの進化によって脆弱性探索が劇的に加速
次は、八雲法律事務所の山岡裕明弁護士。
バッファオーバーフローやSQLインジェクションといった脆弱性の事例を挙げながら、『脆弱性』はソースコード中のたった1行の設計ミスからでも生まれると説明。ソフトウェア業界では『まず出して、後でアップデートで直す』という文化が強く、物理製品のような厳格な事前検査やリコールコストが存在しないことも、脆弱性が減りにくい背景にあると指摘した。
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【安全保障レベルの問題にも発展】
