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なぜアメリカは台湾を信用しないのか――防衛予算攻防に透ける米中台の本音とアメリカが台湾に求める自衛の覚悟

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台湾で大規模な国防予算がようやく通過したが、その背景にはアメリカの圧力も?(写真:z1b/PIXTA)
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一方、国民党内でも代替予算案をめぐって意見が分かれていた。

党内強硬派は、すでに決定済みのアメリカ製兵器購入分に限定した約3800億台湾元(約1兆9000億円)のみを承認し、それ以外は案件ごとに改めて審議する「段階承認案」を主張していた。

これに対し、26年の統一地方選挙を控える中、「国防軽視」との批判を避けたい親米派や現実路線の議員らは、約8000億台湾元(約4兆円)規模の案を支持していると報じられていた。

また、現地メディアによれば、国民党と協調関係にある民衆党も、第1段階として約4000億台湾元(約2兆円)を認め、その後追加審議を行う「二段階方式」を検討していたという。

計画に反対する国民党内で分裂

こうした中、立法院長を務める韓国瑜氏の動向が、党内対立をさらに複雑化させた。

国民党中央が徹底抗戦の姿勢を示す中、韓氏は立法院長として「中立」を維持し、予算案の委員会審議入りを容認する姿勢を見せたためである。この対応に対し、党内では「足並みを乱した」と反発する声も上がり、一部からは譴責を求める意見まで出ていた。

韓氏は、安全保障問題は専門家の判断を尊重すべきだとしたうえで、立法院の役割は「盲目的な拒否」ではなく、「厳格な監督」にあるとの立場を強調していた。

特定の予算規模を公然と支持していたわけではないものの、審議自体は止めず、内容を精査したうえで、与野党双方が妥協可能な水準へ着地させたい考えではないかとの見方も出ていた。

そして8日、最終的に約7800億台湾元(約4兆円)規模で特別予算案は可決された。これは、頼政権や民進党側が当初想定していた1兆2500億元から、およそ4700億元を圧縮した内容となる。

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【アメリカが予算成立を促した】

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