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アサヒ、花王、サントリーなどが集団防御力アップを狙い「流通ISAC」を設立、恐るべき"サイバー被害共倒れ"を減らせるか?

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スーパーの食品や輸送のイメージ
製造・卸・小売業界の企業がサイバー攻撃の兆候や被害情報を共有する組織が新設された(画像:kou / PIXTA)
  • 松原 星一 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ セールス・エンジニアリング本部 執行役員 本部長
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その際には、RH-ISAC内の情報共有ネットワークを通じて、先に同集団の攻撃を受けていたイギリス企業の知見を即座に取り込み、被害の連鎖を食い止めたという好事例があります。

金融業界では14年のISAC設立から10年で480社超が参加し、集団防御の実績を積み上げました。

アメリカでもRH-ISACが機能し、その有効性は証明済みです。流通ISACはその流れを日本の消費財サプライチェーンに持ち込む、時宜を得た取り組みと言えます。

「参加したから安心」ではない

ただ、経営として重要なのは、「情報共有の仕組みに参加すること」だけではありません。その情報を自社の防御に生かせる体制を整備することです。

具体的には、
・インシデント発生時の事業継続計画(BCP)の整備
・自社のサプライチェーンにおけるリスクの可視化
・侵入を前提とした検知・防御の高度化

といった取り組みを並行して進める必要があります。

特に求められるのは、攻撃が成立する前に封じる「防止優先」の戦略です。攻撃者がAIを活用するようになり、攻撃を高度化させる中、非常に重要な観点となります。

脅威インテリジェンスをリアルタイムで共有し、AIを活用した防御をネットワーク・クラウド・エンドポイントにわたって統合的に展開すること。そして、流通ISACが生み出す「集団の知見」を、こうした実装レベルの防御と組み合わせることで初めて、サプライチェーン全体の強靭性が高まります。

流通ISACはその第一歩であり、ゴールではありません。各社が自社防御のためのアクションにつなげてこそ、その価値が発揮されるのです。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。

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