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貧困層の救済を目的とする"給付金"は、なぜ「火事場に紙屑を投げ入れる効果しかない」と言い切れるのか

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(写真:Pavel Muravev / PIXTA)
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5月22日、米連邦準備理事会(FRB)の第17代議長にケビン・ウォーシュ氏が就任した。いよいよ新体制が始動する。

4月に行われた上院の指名公聴会で氏は政策についての明言は避けたが、冒頭陳述で「現状維持の暴政」というミルトン・フリードマンの言葉を引用して昨今のFRBの役割拡大と財政介入を暗に批判し、今後の政策運営の転換をレジームチェンジと表現するなど改革への意気込みを滲ませた。

5月22日、ワシントンD.C.のホワイトハウス・イーストルームで行われた就任宣誓式におけるドナルド・トランプ米大統領(右)とFRBのケビン・ウォーシュ議長(写真:ブルームバーグ)

ウォーシュ氏はAIが経済に飛躍的な生産性の向上をもたらすとの見解を示しており、その際に参照するのが90年代のアメリカ経済と1987年から06年までFRB議長だったアラン・グリーンスパン氏である。

当時、加熱する経済とインフレへの警戒感が高まる中、グリーンスパン氏はインターネット革命が企業活動の生産性を大きく向上させることをいち早く指摘した。その先見性と手腕により強い経済と安定した物価の両方の実現に寄与したとして、ウォーシュ氏は元議長の金利政策の舵取りとコミュニケーションを高く評価している。

そのグリーンスパン氏が思想的影響を強く受けたのが本連載の主役、リバタリアン(自由至上主義者)の教祖ともいえるアイン・ランドだ。

ウォーシュ氏には、中央銀行は民間の経済活動の障害にならないのが理想であり、目立たないことが望ましいといった発言も多く、90年代にワシントンで支配的だった新自由主義的な小さな政府志向もうかがわれる。そこでランドを研究する立場からウォーシュ氏の来歴と今後の政策へのスタンスについて論評したい。

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