また、小林政調会長は「原則禁止を本則にしっかり書き込んだことによって、検察が不服申し立てをするハードルは確実に上がったと受け止めている。成立に向けて1つでも多くの野党の理解をいただけるよう努力し、政府・法務省は国会審議で真摯に誠実に答弁することを求めたい」と語った。
こうした政府・与党の動きに対し、国民民主党の玉木雄一郎代表は「(わが党が)訴えてきたことが入り、一定評価できる内容にはなっているが、足りない部分があることも事実だ。国会審議の中で与野党がしっかり議論し、よりよいものに練り上げていけるよう臨んでいきたい」と、さらなる修正への意欲を示した。
また、中道改革連合の岡本三成政調会長は記者団に「これまでとあまり変わらない危険性もあるので、国民の懸念をしっかりと払拭できるような対案を示したい」と強調。共産党の田村智子委員長も「原則禁止では必ず例外が起きる。本則に書くかどうかではなく、例外なく全面禁止にするかが問われている」と今後の国会審議で徹底抗戦する構えを示した。
高市首相の新たな頭痛の種に
その一方で、自民党内の反対議員は政府案了承後も、「半歩でも前進したほうがよいとの判断から、断腸の思いで了承した」(柴山昌彦元文部科学相)、「大変悔しい。国会に舞台を移して議論を継続したい」(井出庸生国対副委員長)、「私は一任しますと言わなかった」(森元法相)などと、口々に納得していないことを強調した。
高市首相を支える立場の鈴木広報本部長も「法務省案は今でも完璧ではない。国民の皆さんに納得いただける再審法改正のために、同僚議員とともに引き続き努力したい」と、それぞれの立場からさらなる法案修正を求めていく考えを示している。
今回の再審規定見直しは、1948年の同法制定後、初めての事態。平口洋法相は15日の閣議決定後の記者会見で、改正案について「再審制度を非常救済手段として適切に機能させるものであり、大変重要な意義を持つ」と強調したうえで、今国会中の成立に向けて「丁寧な説明を尽くしたい」と緊張の面持ちで語った。
今後の国会審議で前面に立つ高市首相は、「自らが熱意を持つ『国論が分かれる政治課題』の審議促進に対して“足かせ”になりかねないとの不安を隠せない」(官邸筋)とされる。
ただ、袴田事件を筆頭に国民の間でも「冤罪問題」への関心が高まっている。「今後の政権の対応次第では、支持率下落の一因にもなる」(自民党幹部)だけに、“一強独裁”を誇る高市首相の新たな頭痛の種になることは間違いなさそうだ。
