東洋経済オンラインとは
ビジネス #自動車最前線

中国・吉利汽車がフォードのスペイン工場の一部を買収? EUの「現地生産促進」法制化控え、駆け込み進出増加の可能性も

3分で読める
CATL(寧徳時代新能源科技)がハンガリーに建設したEV電池工場。中国勢のEU進出は今後どうなるか(同社ウェブサイトより)
2/2 PAGES

さらに注目されるのは、EUがEV、バッテリー、太陽光発電などの分野に対し、投資規制を導入する方針を示した点だ。草案では、単一の国が世界の製造能力の40%以上を占める戦略分野において、EUが投資障壁を設けるとしており、明らかに中国を念頭に置いたものとみられる。

中国のEV大手、比亜迪(BYD)がドイツ・デュッセルドルフ市内に設けた販売店。今後は現地生産比率の高い車しか購入時に補助金支給を受けられなくなる(同社ウェブサイトより)

草案によれば、上記分野でEU域外企業が 1億ユーロ(約180億円)超の直接投資を行う場合、以下の6条件のうち少なくとも4つを満たす必要がある。

・EU域内の対象企業における域外企業・投資家の持株比率・議決権が49%以下であること
・EU企業との合弁会社においても、域外企業・投資家の出資比率が49%以下であること
・域外企業・投資家が(EUの)知的財産および関連技術を使用する際には正式なライセンス契約を締結すること
・EU域内での年間研究開発投資が総売上高の1%以上であること
・EU域内の従業員比率が50%以上であること(この項目は必須)
・EU市場で販売される製品のうち、少なくとも30%をEU域内から調達すること

中国勢の独資進出が困難になるおそれ

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

この法律が施行されれば中国のEVメーカーは独資で欧州に生産拠点を設けることが困難になり、欧州地元メーカーとの合弁による進出を選ばざるをえなくなる。吉利によるフォードの生産ライン買収のような進出形態は難しくなるおそれがあるのだ。

アメリカのコンサルティング会社 ロジウム・グループは、この法案が正式に施行されるのは早くても2027年以降、場合によっては28年にずれ込む可能性があると分析している。EU域内での投資や工場建設を検討する企業にとって、現在は法案施行前の「ラストチャンス」とも言える。

特に、吉利のような既存工場の買収は最も迅速かつ確実な選択肢であり、今後施行までの間の駆け込み進出が増える可能性もある。

(財新記者:安麗敏)
中国語原文の配信は5月9日

※本記事は原文を要約し、日本の読者向けに適宜補足したものです。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象