2012(平成24)年には、上記の2007年の都市マスタープランに基づいて、「中井駅周辺整備計画」が策定された。本計画によって、2016(平成28)年に南北自由通路、翌2017年に駅前広場、中井ふれあい橋、駐輪場などが整備された。複合ビルを建てるような大規模な開発は行われていないものの、暮らしやすい街とする整備は進められているのである。
2017(平成29)年には新宿区まちづくり長期計画として、「都市マスタープラン」と「まちづくり戦略プラン」の2つが策定された。ここでもやはり中井駅周辺は「生活交流の心」とされ、中井駅周辺の整備を推進すること、踏切対策を進めること等を鉄道事業者に要請していくことが明記されている程度である。再開発をして、高度利用するようなことは目標とされていない。
住民の手で街づくりが行われている
2023(令和5)年には「まちづくり戦略プラン」が改定された。ここでは、着目すべき記述として「中落合1丁目地区、上落合中央・三丁目地区及び上落合東部地区においては、地域自らがガイドラインを策定し、まちづくりに取り組んでいる」とある。
「地域自らがガイドラインを策定し、まちづくりに取り組んでいる」とは、いったいどのような取り組みなのだろうか。一例として、上落合中央・三丁目地区について見ていく。
冒頭に述べたように、上落合は木造住宅が密集している。このような木密地域と呼ばれるエリアは道が狭く、火事が起これば延焼しやすく、消防車も通れないため災害に弱い。
このことから上落合中央町会と上落合三丁目町会の役員メンバーが中心となって、防災街づくりの検討が始まった。2012(平成24)年に、「上落合中央・三丁目地区まちづくりの会」が発足し、防災まちづくりの取り組みをスタート。その後、地区の独自のルールである「まちづくりガイドライン」が定められ、2019(平成31)年3月に「上落合中央・三丁目地区地区計画」が決定した。
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【住民による安全・安心に暮らすための地道な街づくり】
