週刊東洋経済 最新号を読む(5/16号)
東洋経済オンラインとは
ライフ

「スイミー模倣画像」で出版社抗議…政治の世界で繰り返される「他人の創作物タダ乗り」の浅はかさ

7分で読める
2026年の衆議院選挙で参政党が発表した公約
2026年の衆議院選挙で参政党が発表した公約(写真:REUTERS/Issei Kato Japan)
  • 城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

こうした点は、「売れればOK」という考えで乗り切れる、民間企業のビジネスとは異なる。人生に直結するからこそ、有権者は「1票を託して大丈夫な相手か」を見極める。選んでもらうには、暮らしが良くなる明確なビジョンを示す必要があり、また「借り物ではない、自分自身の言葉」が判断基準になってくる。

党首だけでなく"赤い小魚"にも光を当ててこそ

このように考えると、たとえ支持者から広がったムーブメントであっても、すでに存在するキャラクターや、その世界観に乗っかるのは、あまり得策だとは言えない。

たとえ権利処理がしっかりしていても、政治家がビジョンを語る仕事である以上、「他人任せ」が透けて見えると、バッシングの対象になりかねない。つまり権利うんぬんは、あくまで表面的なことにすぎないのだ。

では、具体的にどのようなプロモーションを行えばいいのか。やはり党の“中の人”が、しっかりアピールしていく必要があるのだろう。しかも、党首のような目立つ存在だけでなく、常に新たな人材を表に出す必要がある。

『スイミー』の主役はあくまで、“目玉”の役割を担った黒い小魚のスイミーだ。本来であれば、一緒に“大きな魚”を形づくる赤い小魚たちにも、それぞれの生き様があるはずだが、作品でそこまでは描かれていない。それでも許されているのは、あくまで絵本というコンテンツの世界だからだ。

一方で政党はチームであり、党首だけでは成立しない。つまりは、仲間一人ひとりにもしっかり焦点を当ててこそ、大きな存在を演出できるのだ。その点においても、安易に『スイミー』になぞらえるのは、要注意だと言えるだろう。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象