株式市場の重しとなっていた中東情勢の悪化は、足元ではピークアウトが織り込まれ始めている。アメリカ・イラン間の停戦交渉は依然として不透明ながらも、局面は戦闘フェーズから交渉フェーズへと転換。米国株相場は紛争前の高値圏を回復した。
背景には原油価格の安定見通しがある。世界銀行のメインシナリオ(4月28日公表の「Commodity Markets Outlook」)では、供給障害は5月ごろに収束し、ブレント原油価格も年後半にかけて落ち着く想定だ。WTI原油価格が1バレル=100ドルを大きく超えない限り株式市場への中期的な悪影響は限定的との過去統計も、投資家心理の支えとなっている。
加えて、アメリカはエネルギー供給国としての耐性を持つ。エネルギー価格上昇が実体経済に与える影響はヨーロッパ・アジアより小さく、個人消費に占めるエネルギー比率も低下傾向にある。この構造的優位性は、「有事に強い米国株」という評価を再確認させる材料となる。
大和証券では足元の情勢を踏まえ、4月8日に米国株の見通し(ハウスビュー)を引き上げた。
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