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「"消えた死刑囚"を追う」資料集めに数十万円…戦後死刑囚のすべての情報を集め続けるデーターベース管理人「執念の理由」

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記者の取材に応じる笑月さん(2025年11月、東京都内で、弁護士ドットコムニュース撮影)
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──データベースはどうやって作っていますか。

1997年当時、死刑囚の一覧表を掲載しているサイトはありましたが、一審判決が空欄になっているなど、ところどころ情報に空白がありました。しかも、2000年になる前くらいから更新も止まっていました。

そこで、1998年に自分のサイトを立ち上げ、その空白を埋めようと思いました。

国会図書館に通い、昔の新聞や最高裁判決集を調べてはメモやコピーを取る。図書館のコピー代は当時1枚35円で、今より高かった。これまでに何十万円も使っていると思います。

国会図書館にない刑事裁判資料を求めて、東北大学まで足を運んだこともありました。

笑月さんが運営するサイト「刑部」(画像:弁護士ドットコムニュース)

矯正統計の年報や月報から、どの月・どの拘置所で死刑が執行されたかという情報を手がかりに、目星をつけて、その地域の地方紙を一つひとつ当たることもあります。

本当に、根気と忍耐の世界です。

突き当たる壁「日本には死刑の情報がない」

──仕事ではないのに、なぜそこまでできるのでしょうか。

単純に、わからないことを知りたいからです。死刑囚について調べていくと、必ず「情報がない」という壁にぶつかります。

だったら、自分で調べてやると。国が死刑に関する情報を出さないなら、自分たちで明らかにするしかないと思っています。

──調べて気づいたことは?

死刑囚をめぐる報道の変化です。1960年ごろまでは、新聞にも比較的詳しい情報が載っていました。1940年代には、広島刑務所の死刑囚へのインタビュー記事や、刑場の写真も掲載されています。

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【1960年代以降、消えた死刑囚の姿】

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