通知によれば、「学習指導要領上、『特別活動』の中の『学校行事』に位置づけられる修学旅行等の『旅行・集団宿泊的行事』に該当するものは、平素と異なる生活環境の中にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、校外における多様な集団活動を通して、よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができるようにすることを目的とする意義ある教育活動である」とする。
しかし、その「一方で、このような多様な活動の重要性を踏まえつつ、校外を集団で行動すること等に伴い、絶えず事故等の発生の余地をはらんだものであることを改めて教職員間で強く認識し、児童生徒等の安全を確保するための対応を徹底する必要がある」(太字は筆者)と強調している。
辺野古転覆事故を受けて出された今回の文部科学省通知は、「学校行事」に関わるものと理解されがちである。
しかし、校外での集団活動という意味では部活動の遠征にも当てはまる。磐越道でのマイクロバス事故の詳細については今後の調査を待つしかないが、遠征という「非日常の世界」について、学校、顧問教員は移動にどれだけ注意を払っていたのか。生徒だけがバスに乗車し、顧問教員等が同乗していなかったと報じられていることから、今後、学校側の管理体制が問われることになるだろう。
過去の判例が示した学校の「現地調査と告知」の責任
では、非日常の教育活動、特に修学旅行において、学校側には何が求められるのだろうか。
この点については、修学旅行溺死損害賠償請求訴訟が参考になる(横浜地方裁判所判決平成23年5月13日)。同じ沖縄で発生した修学旅行中の溺死事故を巡って司法の場で争われた事案である。
この学校では、「自然体験を通して生徒の自主性をはぐくむ」ことなどを目的として、沖縄への修学旅行を実施していた。海での水遊びの最中、教員の指示とは異なる場所で海に入っていた生徒らが、リーフカレントという強い流れにより沖へと流され、2名が死亡するという事故が発生している。
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【生徒の命を守るため、安全管理の徹底を】
