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「日経平均株価の上昇持続」+「出遅れTOPIXの巻き返し」で、今後カギを握る企業や業種は何か

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日本株は「出遅れTOPIX」の巻き返しなるか。今週は14~15日に米中首脳会談も予定される(写真:AP/アフロ)
  • 平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト
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一方、これだけ強い日経平均を見ても、投資家のセンチメントが「やや強気」程度に止まり、強気が沸騰していないのは、TOPIX(東証株価指数)の出遅れがあるからだ。

日経平均とTOPIXとの乖離を測る(NT倍率=日経平均÷TOPIX)が過去最高水準を更新しているが、この構図は永続するものではない。むしろ、TOPIXにとっては“逆襲の地合い”が整いつつあると考え、前回の本欄ではNT倍率の低下を予測した。

実際には、配信日4月27日時点での16.21倍は、5月8日には16.38倍となっており、9日早朝に取引を終えた日経平均先物価格を見ていると、11日のNT倍率は、さらに上昇するだろう。ただ、予想は現段階では外れているが、撤回する気持ちはない。

過去の「NT倍率が高騰した局面」では、いずれもその後に是正(低下)局面が来ている。ただし、是正の仕方は2パターンある。値がさ株の一服中に、TOPIXが上昇する強気のパターンと、値がさ株が急落して是正される弱気のパターンだ。

例えば、2013年のアベノミクス初期のころのNT倍率上昇は、TOPIXが追い上げる形で是正された。18年時の上昇のときこそ米中摩擦で相場全体が崩れ、日経平均が急落することで是正されたが、20年は銀行以外の極端に安いバリュー株・銀行株・景気敏感株が強烈にリバウンドして是正された。

23年(半導体バブル初期)時も、やはり銀行・商社・インバウンド関連株などが追い上げて是正された。また、過去においてNT倍率が15倍台に上昇した局面では、すべて数週間〜数カ月以内に 14倍台に低下している。

トヨタ・銀行・商社・フィジカルAI関連に期待

今回のNT倍率初の16倍台は、半導体・値がさ株の上昇に対しTOPIX(銀行株・内需株・その他バリュー株)が出遅れた形で、この構造は、20年・23年型に近い。TOPIXが後から追い上げる強気相場の健全な是正が起きやすいと考える。ただし、アメリカのAI関連が崩れると、18年型の「悪い是正」(日経平均が崩れて倍率低下)に転じるリスクもある。

それは、TOPIXの中での比重が大きい上位5社を見るとよくわかる。8日現在では、1位トヨタ自動車(約4.9%)、2位三菱UFJフィナンシャルグループ(同約3.9%)、3位三菱商事(同約3.3%)、4位キーエンス(同約2.7%)、5位三井物産(同約2.72%)となっており、「TOPIX逆襲のカギを握るのは、トヨタと銀行・商社・そしてフィジカルAI関連」ということになる。

AI相場が作り出した日経平均の独走は、裏を返せばTOPIXにとって“力を蓄える期間”とも言える。テーマ株の熱狂が一巡したとき、市場が最後に選ぶのは、結局のところ実体経済と世界需要を支える企業群だ。ただしその中には実需のAI関連株も含まれる。前出の「強気パターンでのTOPIXの逆襲」は、すでに始まっている。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載されています)

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