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折りたたみiPhoneも近いサイズか? ファーウェイの横ワイド「Pura X Max」が示す第三の折りたたみスマホとは

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中国で発売されたファーウェイ「Pura X Max」
折りたたみ型iPhoneはこの形になるのか(写真:筆者撮影)
  • 山根 康宏 携帯電話研究家・ジャーナリスト
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さらに、スタイラスペンを使った手書きにも、このサイズ感はよくフィットする。本体を片手で保持したまま、大きめの手帳にメモを書き込むような感覚で文字やイラストを描けるのだ。フォールド型は広げた画面が大きすぎて片手持ちには不向きで、フリップ型は開いても一般的なスマホサイズにとどまるため、ペンで書き込むにはやや窮屈に感じる。その中間を突く「Pura X Max」のフォームファクターは、ペン操作との相性も非常に良い。

アップルから発売になれば爆売れか

当初、アップルが出すと予想されていた折りたたみスマートフォンは、既存のフォールド型かフリップ型のいずれかに近い形で登場すると考えられていた。 しかしフォールド型は、小型タブレット「iPad mini」と役割が重なりやすく、ラインナップ上のすみ分けが難しい。一方でフリップ型は「折りたためるiPhone」以上の差別化が見出しにくく、現行のiPhoneシリーズに加えたときの位置づけも曖昧になりがちだ。「薄さ」をアピールしたものの成功とは言えなかった「iPhone Air」の二の舞になってしまう可能性もある。

その点、「Pura X Max」が提示したサイズ感は、「iPhone 17 Pro Max」級の大型iPhoneを使いながらも、もう一段階大きい画面がほしいユーザー層をうまく取り込める余地がある。 とくにApple TVなど自社の動画配信サービスを抱えるアップルにとって、「動画コンテンツをより快適に視聴できるスマートフォン」は、ハードとサービス双方の収益を押し上げる武器になり得る。

「Pura X Max」は閉じたときの画面も十分に広いため、アップルが今後本腰を入れて展開していくエージェント型のAIサービス利用にも、多くの情報を一度に表示できる。翻訳結果のテキストを見やすく並べたり、飲食店検索で地図とメニュー情報を同時に表示したりと、リッチな情報を閉じたままの画面で快適に扱えるのだ。

閉じても十分な画面サイズがある(写真:筆者撮影)

そう考えると、「Pura X Max」と同系統のサイズ感を持つ折りたたみiPhoneは、「いまの大画面iPhoneだけでは満足できないが、毎日iPad miniを持ち歩くのは現実的ではない」「閉じた状態でもiPhoneの機能をフルに活用したい」といった、欲張りなニーズを一台に集約できるデバイスになりそうだ。発売されれば、「アップル初の折りたたみ」という話題性に頼らなくても、その実用性だけで高い人気を獲得する可能性は高い。

筆者が「Pura X Max」を使って強く感じたのは、スペックの数字を競うのではなく、「画面をどう見せ、どう使わせるか」という体験そのものを再設計した折りたたみスマートフォンの新しい方向性が、はっきりと見えてきたということだ。フォールド型とフリップ型、それぞれのメリットを取り込みつつ弱点をうまく緩和した第三の選択肢となり得る折りたたみiPhoneは、折りたたみスマートフォン市場全体のゲームチェンジャーになるポテンシャルを秘めている。

懸念材料は価格帯だ。ファーウェイの例を見ると、同社のフラッグシップスマートフォンと比べて「Pura X Max」はおおむね3割前後高い価格設定となっている。 日本での「iPhone 17 Pro Max」の価格が約20万円だとすれば、折りたたみiPhoneは26万から30万円程度になるだろうか。しかし、アップルがその価格に見合うだけの体験価値を提示できれば、折りたたみiPhoneの前には、明るい市場が広がっているはずだ。

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