このように、既存の折りたたみスマートフォンは「大画面を展開できる」「小さく折りたためる」という、わかりやすい利点を備えつつも、その長所を日常利用の中で十分に引き出し切れていないのが実情だ。 その結果として、折りたたみスマホの市場シェアはいまだ数パーセントにとどまり、「誰もが当然の選択肢として選ぶ製品」には至っていない。「Pura X Max」は、こうした従来機種の物足りなさや中途半端さをうまく埋めることで、新しい使い勝手を提示するデバイスといえる。
もちろん「Pura X Max」にも弱点はある。開いた状態の画面サイズはフォールド型モデルより一回り小さく、2つのアプリを並べて本格的なオフィスワークをこなすといった用途にはあまり向かない。 仕事端末として考えると、やや力不足に感じるシーンは出てくるだろう。また価格も一般的なスマートフォン2台分に近いレンジで、決して手軽とは言えない。
まったく新しい「第三の折りたたみスマホ」
とはいえ、これまで店頭で折りたたみスマホを触っても「興味はあるけど自分が買うイメージまでは湧かない」と感じていた層にとって、「Pura X Max」は有力な選択肢になり得る。一般的なスマートフォンより大きな画面を無理なく持ち歩けるうえ、折りたたんだ状態でも、十分な表示領域のある端末として成立しているからだ。
筆者は「Pura X Max」を2025年4月中旬に購入し、日常的に使い続けている。フォールド型の折りたたみスマホや三つ折りタイプのモデルも併用しているが、実際の外出時にポケットから取り出して使うのは、いつの間にか「Pura X Max」ばかりになった。これまで多数の折りたたみスマートフォンを試してきたが、「Pura X Max」はそれらとは明らかに異なる、「第三の折りたたみスマホ」としてのポジションを感じさせる。
たとえば電車移動の際には、メールチェックや簡単な返信といった軽い仕事をすることもあるが、本格的な資料作成まではなかなか手を伸ばしづらい。一方で、乗車時間が30分ほどあれば、ドキュメンタリー番組など腰を据えて見たいコンテンツを再生したくなることが多い。そうした「ちょっとしたスキマ時間」を活用するには、大きく開く手間がありサイズもかさばるフォールド型より、胸ポケットから片手で取り出し、そのまますぐ大画面で楽しめる「Pura X Max」のほうが圧倒的に向いている。
写真撮影の場面でも事情は同じだ。街を歩いていて気になった光景をメモ代わりに残すとき、「Pura X Max」の画面サイズと比率は非常に扱いやすい。撮るだけなら、閉じたままでも使えるフリップ型のほうが小さくて便利に見えるが、正方形に近い小さな外画面ではプレビューがどうしても窮屈になる。対して「Pura X Max」は、閉じた状態でもほぼ画面全体をファインダーとして使え、被写体をしっかり確認しながらシャッターを切ることができる。
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【折りたたみスマートフォンの新しい方向性】
