それぞれについて説明しましょう。
「〇〇社がAIを導入したので」で動いていないか?
①の競合追随型とは、「競合が動いたから自社も動いた」というもので、業界トレンドへの反応が戦略に見えるという性質があります。
あなたの会社でも、「〇〇社がAIを導入したので……」という理由で、急いでAIを導入しようとしたことはないでしょうか。
経営判断において、競合分析自体はもちろん重要です。
ですが、競合の動きが自社の意志よりも優先されたとき、それは他人軸となります。「競合・環境への対応」と「自社の意志に基づく戦略的選択」は似て非なるものです。
もし会社の戦略会議で、「〇〇社が▲▲をした」「■■が業界標準になりつつある」といった言葉が飛び交う頻度が高いようなら要注意です。
②の投資家忖度型とは、株主やVCの期待に応えることが経営目標にすり替わるというものです。「投資家ウケがいいので……」という理由での判断がこれに当たります。
この他人軸は、スタートアップや上場企業に多く、四半期ごとの数字、投資家向け説明、アナリスト評価が意思決定の軸になってしまいます。
こうした短期KPIへの最適化は、長期的な意志の実現を侵食します。「投資家が喜ぶこと」と「事業として自分たちが本当にすべきこと」が乖離し始めたとき、この型に陥っていると言えるでしょう。
意思決定の前に「これは投資家にどう説明するか」「投資家が理解できないからやめよう」といった発言が多く出るときは要注意です。
③のメディア・世論反応型とは、時代の空気で方針が変わり、広報的な配慮が戦略になるというものです。その典型例は「炎上リスクがあるので……」というもので、SNSの普及により急増しました。
もちろん、そうした配慮は必要な側面もありますが、「これをやったら批判されてしまわないか」という回避動機が、本来やるべきことをやらない理由として使われるとき、他人軸になります。
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【他人軸に支配されたままAIを使う危険性】
